【トラウマ】今も消えない心の傷は人生にどう影響する?【PTSD】

こんにちは
Smile Houseの妙加です。

みなさんには

忘れられず、今も覚えている

失敗や、傷ついた経験、衝撃的な出来事はありますか?

そういう体験を表す時に「トラウマ」という言葉を使いますね。

「なかなか忘れられない過去の記憶」
ぐらいの認識だとしても、

その時感じていた
「怒り」「悲しみ」などの感情を

表現仕切らないまま押し込めてしまうと、

それは潜在意識の中に
トラウマ(傷ついたけれど未消化な体験)として残り続けます。

そういった潜在意識に押し込まれた体験は
私たちに無意識の行動に影響を与えています。

例えば、

  • とある出来事、状況、環境、言葉などに、どうしても過剰反応してしまう
  • やりたいことがあるけれど、なかなか決断できない
  • 自分がされると嫌なことだと認識していても、周りの人にしてしまう
  • (特に子ども、恋人、夫婦、友達などの身近な存在に対して)

ということや、

  • 自分では何故そういう反応をしてしまうのかわからない
  • やめようと思っているのに、何故かやめられない
  • いつも人間関係、仕事、恋愛が上手くいかないけれど原因がわからないまま同じことを繰り返している

というようなパターンになって
表面化していることが多々あります。

そして、例え色々な問題となって表面化していても
私たちはそれが問題だと気がついていないことが多いのです。

何故なら、潜在意識は無意識の行動なので、
息をするぐらい私たちは自然に行なっているからです。

今回は、実は私達の無意識の行動に大きな影響を与えている可能性がある
トラウマについてまとめました。

【トラウマ】何故忘れられない?トラウマをいつまでも覚えている理由

2017.09.22

トラウマとは?

トラウマ

では、トラウマとは一体何なのか?ということからご説明します。

近代現代で注目されるようになった

トラウマそのものは大昔から存在していたと思われるのですが、

実は、注目され始めたのは近代に入ってからです。

19世紀後半、文明が進み、鉄道が誕生したことから、

大規模な鉄道事故が起こるようになったことが
トラウマ研究のきっかけだと言われています。

また、20世紀になると、大規模な戦争が多発するようになり、

第一次世界大戦など、戦場で戦っていた兵士が

精神的に異常な反応を見せるようになり少しずつ注目されるようになりました。

しかし、研究は思うように進まず
日本では阪神淡路大震災の後になって

ようやく注目されるようになりました。

トラウマを抱えやすい現代の環境

大昔と現代では、
現代の方がトラウマを抱えやすい環境だと言われています。

なぜなら、昔は事故があったとしても、

人が起こせる範囲内、想像できる範囲内の出来事がほとんどだったからです。

(馬から落ちた、戦いで矢が当たった、
足を滑らせて高所から落ちた・・・など)

ですが、現代は、
ボタン一つで数千人が亡くなる、
ちょっとした操作ミスで大惨事になる

というような
人が起こせる範囲を超えて、想像できない領域での
事故や事件が起こります。

トラウマが注目されるようになった
第一次世界大戦も、

想像を絶する威力を持つ武器や鼓膜が破れそうな破壊音の中、

昼夜関係なく、そして一瞬にして人が死んでいくという
過酷な状況に置かれたことが原因と考えられています。

トラウマは心身に強烈な影響を与えた経験

最近では様々な恐怖体験に対して使われていますが、

もともとトラウマは、

「非常に衝撃的な体験」 「心身に強烈な影響を与える体験」を指す

心理学の専門用語でした。

本能的に「死」を意識するような
衝撃的な出来事、恐怖を感じた体験を「外傷体験」

というのですが、
この外傷体験のことをトラウマ体験、トラウマ記憶と呼びます。

外傷(トラウマ)体験とは?

主な外傷体験というのは、

  • 自然災害
  • 地震、火事、台風、洪水など

  • 社会的な不安
  • 戦争、紛争、テロ、暴動

  • 生命危機
  • 暴力、交通事故、犯罪、性的被害

  • 喪失体験
  • 身近な存在やペットの死、大切にしていた物の喪失

    というようなものを指します。

    また、大人と子どもでは少し違っていて、
    子どもは上記のような出来事に遭遇した場合、

    大人に守られていたり、厳しい状況の中でも頼れる存在が
    いることも多いので、

    大人よりもトラウマにはなりにくいと言われていますが、

    虐待、犯罪、いじめなど

    人への信頼を大きく損なう体験が子どもにとって一番トラウマになりやすく、

    今後の人生に影響を与える可能性の高い出来事になります。

    トラウマと心的外傷後ストレス障害(PTSD)

    トラウマ

    外傷体験の記憶は本人が望んでいなくても
    不意に思い出されるという特徴があります。

    そのため、本人の意思に反して

    過去の恐怖体験にタイムスリップしてしまう
    フラッシュバックという現象が起き、

    再び恐怖を疑似体験してしまうのです。

    この症状が持続的に続き、
    苦痛を伴うのが急性ストレス障害(ASD)、

    1ヶ月以上続くのであれば、
    心的外傷後ストレス障害(PTSD)というような

    疾患につながる場合があります。

    PTSDとは?

    PTSDとは、強烈なショック体験、精神的なストレスなどが
    心のダメージになり、

    生活に影響が出るほどの様々なストレス障害を引き起こす
    精神的な後遺症です。

    大きな自然災害、飛行機事故、殺人事件、戦争というような
    生死に関わり、心に大きな傷を負う出来事が原因になることが多く、

    実際にもう一度体験しなくても、
    関連するものを目撃するだけでフラッシュバックが起こることがあります。

    PTSDの主な症状は

  • 追体験(フラッシュバック)
  • その時の記憶が蘇り、いまその出来事が起きているように感じる。

  • 過覚醒
  • 交感神経が優位になり、異常な警戒状態や興奮状態が続き、
    不眠、抗うつ、怒り、不安障害などを引き起こす

  • 回避
  • 記憶を想起するような状況や環境を、意図的、無意識に回避する。
    その延長として、暴力、ドラッグ、アルコールなどへの依存や中毒症状があります。

  • その他
  • 自分への否定的な認知、自己否定、自殺願望など

    急性ストレス障害と心的外傷後ストレス障害

    急性ストレス障害とPTSDの違いは持続期間です。

    急性ストレス障害がトラウマ体験から

    1ヶ月以内に発症し、2日~1ヶ月ほどで治ります。

    PTSDは急性ストレス障害の症状が1ヶ月以上続き、
    大半は1年以上にわたって持続するため、

    より深刻です。

    強いトラウマ体験から、
    急性ストレス障害を発症する人が30~50%程度、

    そのうちPTSDを発症する人が約半数(全体の1割程度)だと言われています。

    トラウマになる人とならない人

    上記のように、
    外傷体験をしたとしても、

    そこから急性ストレス障害やPTSDに
    なる人とならない人がいます。

    生涯でトラウマになるような出来事を体験するのは
    男性が6割、女性で5割ぐらいだと言われていますが、

    PTSDまで深刻化するのは1割ぐらいです。

    外傷体験が深刻化しやすい人と、
    しにくい人がいるということです。

    その違いは、
    環境や家庭環境などが関係していると考えられています。

    また、トラウマ体験の回数が多いほど、
    トラウマを抱えやすくなると言われていて、

    若年であればあるほど、重症化しやすいとされています。

    トラウマになりやすい要因

  • 安全、安心を感じれる場所がない
  • 周りの人に支えてもらっている感覚がない
  • 神経質な傾向がある
  • 物事に対してネガティブな評価をしやすい
  • 過去に深く傷ついた経験がある。
  • トラウマにならず乗り越えやすい要因

  • 自己肯定感が高い
  • 自尊感情がしっかりしている
  • 愛着が安定している
  • 人への信頼感がある
  • 模範になる人が側にいる
  • 受容してくる人が側にいる
  • トラウマ体験は日常に溢れている

    トラウマ

    最近のトラウマ体験への理解では、
    トラウマになる出来事は上記のような

    生死に関わる外傷体験だけでなく、
    日常に溢れている出来事でも

    トラウマを抱える可能性があると言われています。

    地震、台風などの自然災害や
    交通事故、火事、身体的・性的犯罪以外で

    最も心理的に影響を与える傾向にあるのが
    人間関係の中で傷ついた体験です。

    トラウマは人生に影響を与える

    生死に関わる外傷体験はもちろんですが、

    人間関係の中トラウマを抱えると、

    • 未来に希望を感じられない
    • 自分の人生なのに、自分でコントロールしている気がしない
    • 自分自身をありのままに表現できない

    というような感覚におちいることがあります。

    そのためトラウマ体験の数が多い人やトラウマの傷が深い人ほど、

    生きづらさを感じる傾向があります。

    衝撃的な出来事によって心が打ちのめされていたり、

    恐怖や無力感が残ったままになってしまい、

    過去の出来事を今も解消できずに心の傷になり
    今の人生にも影響を与えている状態なのです。

    その出来事は他人から見ると

    「そんなこと些細な出来事?」
    「一方的な思い込みじゃないかな?」
    「まだ気にしていたんだ」

    というようなことかもしれません。

    ですが、人間関係の出来事、
    生死に関わる出来事に関わらず

    トラウマになる出来事には大きい小さいはなく、

    「その人自身にとって、恐怖や脅威を感じる体験だった」
    という主観的なその人の捉え方の話です。

    なので、他人の価値観や判断基準で
    トラウマかどうかを決めることはできませんし、

    誰にでもある日突然トラウマを抱えるような
    出来事に遭遇する可能性があるのです。

    トラウマの種類

    トラウマ

    トラウマはいくつか種類があります。

    単回性のトラウマ

    自然災害、事故、性的暴力、など
    深刻な出来事が1度起こること。

    発達トラウマ

    幼少期の親子関係や家族関係でできるトラウマ。

    暴言、虐待、ネグレクト、DV、夫婦喧嘩の目撃など
    繰り返し、長期になる程深刻な傷になる。
    (慢性反復性のトラウマ)

    エピソードトラウマ

    ショックトラウマとも言われ、

    他人から心無い関わりをされる(いじめなど)
    失恋、親しい人との決別、転落、

    社会での大きな失敗や強い緊張、ストレス状態に
    追い込まれた出来事など。

    1度の大きな衝撃的な体験はもちろんですが、
    繰り返し反復的に続く出来事もトラウマになります。

    また、そのような出来事は日常に組み込まれ慢性化しやすいので

    知らない間に日常的にトラウマ体験を刻み込んで
    麻痺している場合が多く、克服に時間がかかる傾向があります。

    【トラウマ】トラウマができる原因と心身に現れる症状

    2019.11.14

    危機的状況への反応【闘争か逃走】

    トラウマ

    トラウマになる出来事が起こった時に
    私たちの体にはどういう変化が起こっているのでしょうか?

    少し視点を変えて、生理的な一面から
    トラウマの形成のメカニズムを説明します。

    私たちは

  • 生死を分けるような危機的状況
  • 受け止めきれない衝撃的な出来事
  • というような事態に遭遇した時にとる行動は
    基本的に3パターンです。

    アドレナリンが分泌され、

  • 闘争
  • 逃走
  • という防衛本能か

    もしくは、どちらもできないと判断した場合にとる

  • フリーズ反応(硬直)です。
  • 闘争は、その状況を打破し、
    命や自分自身を守るために闘おうとする攻撃的な反応です。

    逃走は、その状況は不利、もしくは勝ち目がないという場合に

    その危機状況から逃れようとする回避反応です。

    この反応は、頭で考えて行う反応ではなく、本能的に生き残るために行われる行動で、
    極度のストレスがかかった状況になります。

    危機的状況への反応【フリーズ反応(硬直)】

    しかし、場合によっては
    闘争も逃走でも対処できない状況だったり、

    行動したけれど失敗に終わり、
    危機を脱することができなかった場合、

    私たちはフリーズ反応へ移行していきます。

    フリーズ反応というのは、
    「危機的状況だけれど、闘うことも、逃げることもできない」

    という状況になった時、

    この状況を感じないように感覚を麻痺させて(意識や感情を切り離す)
    この危険から身を守ろうとするのです。

    何か衝撃的な出来事に遭遇した時に記憶があやふやだったり、

    過去のトラウマ体験をなかなか思い出せないのは
    このフリーズ反応が働いているからです。

    (麻痺させていて、感じないようにしていても潜在意識には取り込まれます)

    危機的、衝撃的な体験に対して体や感情を麻痺させて

    心身を守ろうとする 防衛本能の一つです。

    しかし、このフリーズ反応が解消されないまま続くと、

    「危機的な状況は終わった」と判断されない

    記憶としても残ったまま、交感神経が優位の状態が続く

    心身ともに緊張状態が続く

    ということになり、
    この体験を通して得ている情報

  • 感情
  • 体の反応
  • 光景
  • などが深くに刻み込まれ続け、
    結果的にPTSDの発症につながったりもするのです。

    動物と人のフリーズ反応の違い

    この、闘争、逃走、硬直という反応は
    人だけでなく動物全般がとる行動です。

    野生の草食動物を例にすると、
    万が一、肉食動物に捕まってしまった際に

    死んだフリ(硬直)をすることで、
    捕食動物が攻撃を弱める可能性があります。

    中には、動いているものしか追いかけない本能を持つ相手であれば、

    硬直することで退路を確保できます。

    そうでなくても、硬直によって乖離(かいり)することで
    瞬間的な苦痛を感じないようにする効果があります。

    交通事故の瞬間の痛みを覚えていないことがあるのも、
    本能的に乖離状態にすることで身を守っているからです。

    闘争、逃走の時どちらも
    膨大なエネルギーを作り出し消費していますが、

    フリーズ反応の時も同じように
    膨大なエネルギーを作り、消費しています。

    そして危険が過ぎ去ると動物の場合は
    硬直が解かれて、過剰なエネルギーを振り払って(身震いをするなど)

    何事もなかったように、また走り出します。

    人と動物が違うところはこの部分で、
    人の場合、硬直が解除されても、

    脳の知的部分が邪魔になり、
    過剰エネルギーの解放という本能的な反応を起こすことができません。

    そのため、フリーズ反応から危機的状況を脱しても、

    エネルギー(乖離した際に感じていた感情など)の出口がなく行き場がないため、
    体内に押し込まれ、どんどん取り込まれて、

    蓄積していくのです。(トラウマの蓄積)

    私たちの体は、危機状況では
    リミッターを外し、全力でエネルギーを生産して

    生き残る本能が働きます。

    フリーズ反応は生き残るために
    自分から感覚と感情を切り離すエネルギーです。

    そのため、トラウマの克服の一つに
    この過剰生産され、発散されず取り込まれたエネルギー(感情など)

    を解放するという方法があります。

    まとめ

    今回は、
    トラウマとはどういうもの?についてまとめました。

    トラウマ体験は、大人になる過程で多くの人が体験する
    身近なものです。

    その体験が、

    きちんと消化されているのか?
    心の奥底にしまいこまれて、心の傷になっているのか?

    という違いがあるだけです。

    トラウマをうまく消化できず今の生活に支障が出ているのであれば

    トラウマの解消法などもまとめていますので、そちらも参考にしてみてください。

    【トラウマ】トラウマ克服の心得と適切な環境設定【克服】

    2017.09.29
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    ABOUTこの記事をかいた人

    SmileHouseスタッフの妙加(たえか)です。 仕事に追われつつドタバタと記事を書いていますが、がんばって子育てに役立つ情報を更新していきたいと思っています。 最近はランニングとあんこと半身浴にハマっています♪