こんにちは
Smile Houseの妙加です。
世の中は常に変化しているので、人はその時の状況や環境に応じて「〇〇した方が良いな」「〇〇しよう」と選択していますが、
それが「〇〇するべき」と現実を見ずに「こうあるべき」という自分の思い込み(ビリーフ)に執着すると、様々な問題や悩みが発生し、
自分の期待通りにならない周囲に対して非常にストレスを感じるようになります。
今回はこういった「べき」思考から自分を解放し、自由な人生を生きるには?についてまとめました。
絶えず変化している世の中に抵抗する「こうあるべき」思考

「人生が思い通りにいかない」と感じる要因の中には、潜在意識にこういった刷り込みがされている可能性があります。
1、身の回りで起こることを「自分のせいじゃない」と思っている
2、「自分が正しい」と思いこんでいる
3、「〇〇すべきだ」「〇〇であるべきだ」と思っている
4、本当はやりたくないのに、「仕方ない」とイヤイヤやっている
5、「今の自分ではダメだ」と思っている
6、優柔不断で決められない・決めても行動できない
7、「自分はこんなものだ」と諦めている
その中で今回は、3の「〇〇すべき」という思考についてお話しします。
私たちの周りにある環境(周りの人、物、出来事など)は絶えず変化していますよね。
だからそういった変化には柔軟に対応する必要があるし、その変化が自分の理想や期待通りになるとは限りません。
自分にとって望ましいもの、嬉しいものもあれば、悲しいこと、悔しいこと、予想できたもの、予想できなかったものなど様々ですし、
その時の対応も、自分の思い通りにできることもあれば、どうしようかと困ることもありますね。
人は変化することに対してストレスを感じるのですが、生きていく上で変化に対するストレスを感じるのは仕方のないことなのです。
ですがそういった変化を否定して受け入れず、自分の「こうあるべきだ」という思い込みに執着すると様々な問題や悩みが生まれるようになります。
悩みを生む「こうあるべき」思考
例えば・・・
・上司や同僚はもっと自分のことを評価するべき
・他人は自分にもっと優しくするべき
・他人はもっと自分の話を聞くべき
・子どもは親の言うことを聞くべき
・自分はいつも完璧でいるべき
などです。
このように客観的に並べてみると、「絶対にこうしなくちゃいけない」のではなく、
自分の「こうであってほしい」という理想や期待といった願望であることがわかりますね。
つまり、「べき」思考とは目の前の事実を無視して「そんなはずはない」「そうあるべきではない」と、抵抗・否定している状態です。
すでに起こっている出来事はもう変えることはできませんが、それをどうにか自分の思い通りにしたいと思うのが「べき」思考なので
たくさんの悩みや、怒り・悲しみ・絶望感・無力感というような感情を生み出すことになります。
誰でも人に評価されたい、優しくされたい、自分の話を聞いてほしい、子どもには幸せになってほしい、という気持ちを持つものですが、
現実が自分の思い通りにならなくても仕方ないし、起こってしまったことを否定しても意味がありません。
「べき」思考は過去や他人を変えようとする
「べき」思考と現実が同時に発生すると、起こったことはもう変わらないので必ず現実が優先されます。
事実を捻じ曲げたり否定しようとする努力は非常に多くのエネルギーを必要としますが、事実は変わらないので成果が上がることはありません。
「べき」思考とは、過去や他人といった自分ではコントロールできないものを「どうにかして変えたい」という欲求の表れでもあります。
自分が変えられるのは自分自身の思考・行動・未来ですが、この領域で生きるには自分の人生の主導権を自分が持っていなくてはいけません。
なぜ「べき」思考が生まれるのか

自分の周りで起こる出来事の捉え方で精神状態や選択肢は大きく変わります。
人生に当事者意識を持ち、自分の選択が今の人生や結果をつくっているという意識で生きていると、どんな変化が起きても
「いつも自分で決められる」のであらゆる事態に対応できます。
これは不安にならない、いつも自信にみなぎっているという話ではなく、できるかどうかわからないし、不安も感じるけど、
「その時の事実を受け入れ、できる努力をしていこう」という心構えがあれば、人は不安を感じていても自信がなくても
色々なことにチャレンジできるので経験も積めますし、成長していけます。
ですが、自分の人生を被害者意識(なんで自分がこんな目に、自分のせいじゃない、〇〇のせいで、誰かに何とかして欲しい、など周りの環境に主導権がある状態)で生きていると、
自分の身の回りで起こった出来事に対応するのは「自分以外の誰か」になりますし、その出来事も「自分以外の誰かが起こした」ことなので、
自分の思い通りになっていなくても「どうして」「なんで」「誰か」とモヤモヤしながら見ていることになります。
そういった出来事が重なると「目の前の変化に自分は対応できない」と自分は被害者のように感じたり、不安や恐れが強くなり、
起こっている出来事を「起こるべきではない」「そんなはずはない」と否定・抵抗するようになります。
まずは自分の意識を変えること
まずは目の前の現実をそのままに見つめ、向き合うこと。
現実は好き嫌い・良い悪いといった判断や思い込みを挟まずありのままに見つめることがポイントで、そのままに受け入れたからといって
妥協や諦めるのとは別の話。
ありのままの事実と向き合うのは勇気や強さが必要ですが、そうすることによって自由な選択を手に入れることができ、
今まで環境や他人に向かっていた意識を自分自身に集中させて、人生を良い方向へと導いてゆけるのです。
ですが、この「べき」という思考が悪というわけではありません。
人は「〇〇になりたい」「〇〇したい」というように、期待や欲求を抱くことで目標や成長意欲がわき色々なことにチャレンジしようと思うもの。
だから「自分は〇〇という人間になるべきだ!」とただ思うだけならその気持ちは自分自身を後押ししてくれますが、
その時に「べき」にとらわれ、現実を見なくなったり、理想に執着するようになると様々な悩みや問題が発生し、結果的に理想の実現は遠のいてしまうものなのです。
「〇〇するべき」の正体は完璧主義

「〇〇するべき」「〇〇するべきでない」「〇〇でないとならない」という理想への強いこだわりや期待の正体は「完璧主義」です。
この世に”完璧”は存在しないとされているので、「〇〇するべき」にこだわりすぎてしまうと、受け入れられない出来事が増えますし、
理想と現実のギャップが苦しくなったり、人間関係に強いストレスを感じるようになります。
他人や環境、すでに起こった出来事は自分の理想や期待通りに動かすことはできないので、どれだけ努力しても実現できないことなのです。
「べき」思考ではない人は理想と現実のギャップを正しく認識し、自分自身を理想に近づけるために努力をしたり、目標設定をするのですが、
「べき」にこだわりすぎてしまう人は、このギャップを受け入れられずにいます。
つまり、理想通りではない現在の自分の状態を受け入れたくない=ありのままの自分を受け入れることを拒否しているということです。
遊びも仕事もそつなくこなす自分、期待に応えている自分、他人に認められている自分。
人それぞれ理想はあると思いますし「完璧な自分像」というのは持っているものですが、これは自分の想像の世界にだけ存在していて、
現実には存在していない自分の姿。
現実は色々と失敗もするし、思い通りにできないこともたくさんあり、人の期待に応えられないこともあり、自分のことを認めようとしない人もたくさんいます。
でも、それが自分のありのままの姿。
この事実から目を背けて、自分自身を拒否して否定し続けながらどんなに努力をしても、いつも「完璧じゃない自分」「自分はまだまだ足りない」
という気持ちに悩み続けることになってしまいます。
人が陥りやすい「べき」思考とは
自分の理想や期待に強いこだわりのある状態が「〇〇するべき」「〇〇しなければならない」という完璧主義なビリーフですが、
色々なパターンがあるので紹介します。
自分はいつも完璧であるべき
自分に与えられた仕事や役割を完璧にこなさなければいけないと思い込む思考のことです。
仕事だけでなく、家事や育児や、男として、女として、親として、子として、上司として、部下として、リーダーとして、夫として、妻として、など
様々な場面で必要以上に頑張りすぎたり、頑張らなくてはいけないという気持ちになります。
この気持ちの背景には、「人から認められたい」「自分は人から認められるべき」など人からの評価を得たいという願望があります。
完璧を求めると理想と現実のギャップが生まれますが、このギャップは努力で解決できるものと、できないものがあります。
ですが完璧主義に陥ると「完璧にできなかったら自分はダメだ、できない人間だ」というように少しの出来事で悩みや生きづらさを感じるようになります。
また、自分は「全部完璧に」「絶対に〇〇すべき」という思考で行動していると、他人のミスや失敗を許せなくなったり、他人の意見を尊重することが難しくなります。
その時は、「今目指しているレベルは、本当に必要なのか、自分のこだわりなのか」「自分の理想や期待は、自分のコントロールできる領域の話なのか」を
一度立ち止まって考えてみましょう。
自分はいつも人から認められねばならない
資格をたくさんとる・肩書きを得る・有名企業で働くなど、ステータスに強いこだわりや安心を感じるタイプの人です。
人から「できていない」と失敗を指摘されることに強い恐怖を感じるので、上司から認められたり、周りの人から「すごい」と言われるために
一生懸命になり、評価されることによって自分は大丈夫・出来ているという安心を感じています。
つまり、「人からの評価=自分の価値」になっている状態。
うまくいっている時は良いのですが、自分の思い通りにできず評価がもらえなくなった時に「自分はダメだ」と思い込んだり、
「自分は頑張っているのに」と評価してくれない周りを責めるようになります。
他人からの評価に対して強い執着と依存性があることが悩みの元なので、「ありのままの自分」を自分自身で受け入れ認めることが課題。
どんな自分でもそのままに受け入れて、自己承認を重ねると解消していきます。
自分は人より優れているべきだ
理想やプライドが高い、負けず嫌いなタイプで、「人に負けたくない」「一番でないといけない」「人よりすごいと言われていたい」など、
人間関係を勝ち負けで測っている状態です。
勝っているとすごい、負けるとダメ。
つまり、「人より優れていれば自分には価値があるけれど、人より劣っていたり何もできない自分には価値がない」と思い込んでいます。
人より多くの売り上げを上げた、たくさんの資格を持っている、肩書きや立場がある、というのは努力の結果ですが、
「人の価値はそういった物事の勝ち負けで決まるものではない」、「できないことがあっても良くて、ありのままで良い」ということを
しっかりと認識していくことが大事。
いつも前向きで明るくいなければならない
何か失敗したりつらいことがあって落ち込んだ時に「こんなクヨクヨした自分ではダメだ」と無理に前向きになろうとして逆に長期間悩んでしまうタイプです。
例えば、人前で話す時に「緊張しちゃダメだ」と思って逆に緊張しすぎて頭が真っ白になったり、
悩みを人に相談することができずに抱え込んでしまうことも多いですね。
「いつも前向きでポジティブ思考でいなければならない」を言い換えると
「不安、緊張、悲しみ、怒り、など自分の中でネガティヴだと感じている感情は拒否する」ということです。
不安や悲しみ、怒りなど不快に感じる気持ちは押し込めれば押し込めるほど蓄積し、心の中に留まり続けるもの。
だから無視したり押し殺してしまうと、ちょっとしたことでその感情がぶり返すようになり、意識が向きやすくなってしまうのです。
イライラする時はイライラしますし、悲しい時はつらさを感じるように、感情はコントロールできないものなので、
無理にコントロールしようとする問題が起こるようになります。
怒りが湧くのは自分自身が大切にしているものを傷つけられたり、ルールを破られたというように
何かしら自分の感情が揺れ動く出来事が起こっている証拠ですし、悲しい・つらいと思うのは自分が傷ついている証拠。
だから無視してしまわずに自分の心の声をしっかりと聞くようにしましょう。
感情はコントロールできませんが、自分の選択次第で必要以上に強く感じるのを防ぐことはできます。
なぜなら感情は自分自身を導いてくれる道しるべにもなっているからです。
楽しい・嬉しいという感情は今の自分の選択や状態に快感を感じていますし、
悲しい・怒りなどの感情は今の自分の選択や状態を不快に感じているので、何かしら行動を変えてみたり捉え方を変えてみる必要があるのかもしれませんよね。
どんな感情も自分自身の声として、大切に受け止めることが大事なのです。
〇〇がなければ行動するべきではない
例えば、「自信がないから、まだ人前で話すのはやめよう」「今日は気が乗らないから、仕事は後回しにしよう」など、
目の前の出来事や、やらなければいけない行動を大切にせず、感情や気分を優先的にしているタイプのこと。
自信がないのは不安や恐怖を感じている状態ですが、そういった状態では行動できない、つまり、
「いい気分でないと、行動するべきではない」という気分本位で生きている状態です。
気分本位で生きていると「今は気分が乗らないからやらない」「まだ不安だからやるべきではない」と思うので、
やりたいことややるべきことが中々進まなかったり、作業のクオリティに大きな差が出たりして、結果、自分の目標を達成できないという問題が起こります。
このような気分本位を変えるには、「目的を優先」させること。
物事の判断基準を自分の感情や気分がどうであれ、やるべきことをどのぐらい進めたのか、目的達成までに必要なことは何なのか。
いつまでに達成するのか、そのために今日することは何なのか?など、
気分や感情へのこだわりを目的にこだわるようにシフトチェンジして物事に取り組んでみてください。
人は自分の理想に従うべきだ
この「べき」思考は無意識に他人を自分の所有物のように捉えていたり、相手の罪悪感や良心や恐怖心に訴えかけて相手をコントロールしようとするタイプの人たちです。
例えば、自分が叶えたかった夢を子どもに叶えさせようとする、子どもに家業を継がせようとする、子育てや家事は女がするものだといって手伝わない、
テストで良い点を取り良い学校へ行くことを強要する、自分の老後の世話を強制する、など。
しかし相手が誰であれ、他人は自分の思い通りにコントロールできませんので結果的に悩みや問題、ストレスを自分で作り出すことになります。
パートナー、子ども、部下、友達は自分の所有物ではなく、自分とは別の人格を持ったひとりの人間ですので、違ったものの見方や価値観を持っていて当たり前。
その違いを否定したり、批判する権利はありません。
だから、その違いをそのままに「あなたはそういう見方(価値観)なんだね」と受け入れることは大事。
また、相手と意見が違っても良く、相手に無理に合わせる必要もありません。
違う価値観を持った相手を尊重しながら、話し合いましょう。
自分の人生は自分で選ぶ
仕事、家事、子育て、人間関係などで悩みや問題があったとき、自分が「べき」「ねば」思考に陥っていないかチェックしてみると、
意外とそういった思い込みが原因になっていることがたくさんあります。
今回紹介したよくある「べき」思考は、
・いつも完璧であるべき
・人から認められるべき
・人より優れていなければならない
・前向きで明るくいなければならない
・気分が乗るものしか行動するべきでない
・人は自分の理想に従うべき
です。
現実から目を背けて「〇〇するべき」「〇〇せねば」というルールが多いと悩みやストレスは増える傾向があるので、
まずは事実をありのままに見つめることから始めてみましょう。