こんにちは
Smile Houseの妙加です。
人の身体は様々なホルモンによって生命が維持されています。
その中でも脳下垂体は、人の代謝を促すホルモンを分泌したり機能調整をしている器官。
今回は脳下垂体から分泌されている8種類のホルモンについてまとめました。
脳下垂体とは?
脳下垂体とは普段聞きなれない言葉ですが、頭蓋骨の真ん中(眉間の奥7cm前後の位置)のあたりにあります。
「脳からぶら下がる」ように存在していているため、脳下垂体という名がつけられました。
大きさは女性の小指の先端ほどで、重さは1gもありませんが、様々なホルモンの働きをコントロールし、人間の身体の機能維持を担っています。
脳下垂体は前葉と後葉に分かれていて、それぞれから重要なホルモンが分泌されています。
下垂体前葉から分泌されるホルモン
下垂体前葉から分泌されている主なホルモンは6種類。
・成長ホルモン
・甲状腺刺激ホルモン
・副腎皮質刺激ホルモン
・性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン)
・プロラクチン
それぞれのホルモンの役割を簡単にまとめました。
成長ホルモン
成長ホルモンは名前の通り、骨や筋肉、内臓の成長を促すホルモンです。
特に小児期〜思春期で適切な分泌が必要になります。
大人になると成長という点ではあまり必要ではなくなりますが、成長ホルモンはもう1つ重要な役割を担っています。
それが、体内の物質をエネルギーに変換し活動できるようにすること。(この働きを「代謝」といいます)
そのため、分泌が減ると意欲や性欲が低下したり、肥満、代謝異常といった問題が起こるとされています。
甲状腺刺激ホルモン
甲状腺刺激ホルモンは甲状腺に作用し、甲状腺ホルモンの分泌を促しています。
甲状腺は機能が亢進すると頻脈、多汗(代表的な疾患はバセドウ病)、機能が低下すると無気力、むくみ(代表的な疾患は橋本病)が現れます。
副腎皮質刺激ホルモン
副腎皮質を刺激して、コルチゾールの分泌を促します。
コルチゾールは糖質・タンパク質・脂質の代謝に関係しているので人が生きていくために生涯必要。
ストレスを感じたときにも分泌され、血圧や血糖値をあげて覚醒状態にする効果があります。
性腺刺激ホルモン
性ホルモンは、卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンの2種類。
・卵胞刺激ホルモン
女性では卵巣に、男性では精巣に作用してそれぞれ卵子、精子の生成を促す。
・黄体形成ホルモン
女性では子宮内膜の形成、男性ではテストステロンの分泌を促しています。
プロラクチン
出産後に乳汁を分泌する働きがあり、プロラクチンの分泌量が多い間は月経が止まります。
出産時以外にプロラクチンが高値になると、月経不順や不妊、妊娠に関係のない母乳分泌がみられます。
男性が高プロラクチンになる頻度は女性の1/8と少ないですが、勃起障害や性欲低下などの症状が出ます。
下垂体後葉から分泌されるホルモン
下垂体後葉から分泌されるホルモンは2種類。
・抗利尿ホルモン
・オキシトシン
それぞれの役割を簡単にまとめました。
抗利尿ホルモン
腎臓に作用し、水分の再吸収を促して尿量を少なくしています。
抗利尿ホルモンの分泌が低下すると尿量が増えすぎる尿崩症や脱水、低血圧になります。
オキシトシン
乳腺の筋肉を収縮させて母乳を出したり、分娩時には子宮の収縮作用があります。
「幸せホルモン」とも呼ばれ、情緒安定やストレス緩和にも効果のあるホルモンです。
脳下垂体は人の生命維持に重要な役割を果たしている
脳下垂体自体は小さな器官ですが、ホルモン分泌を調整するホルモンを多く分泌しています。
下垂体前葉からは
・成長ホルモン
・甲状腺刺激ホルモン
・性腺刺激ホルモン
・副腎皮質刺激ホルモン
・プロラクチン
下垂体後葉からは
・抗利尿ホルモン
・オキシトシン
など人の代謝に関する器官へ、ホルモン分泌や機能調整の指令塔を担っています。
そして脳下垂体の指令塔になっているのが「視床下部」という器官。
視床下部については、まとめた記事があるのでぜひ読んでみてください。