自己愛性パーソナリティ障害とは?症状・特徴・克服法を解説

こんにちは
Smile Houseの妙加です。

自己愛性パーソナリティ障害は誇大な自己イメージを持っているがゆえ、自分は特別な存在だと感じ、他人からの注目や賞賛を求める反面、他人からの非難に過敏で傷つきやすいため”賞賛だけが欲しい人々”というように表現されます。

今回は自己愛性パーソナリティ障害の特徴や症状は?克服方法は?をまとめました。

自己愛性パーソナリティ障害の特徴や症状は?

自己愛性パーソナリティ障害

自己愛性パーソナリティ障害の人は自分は特別な存在だと思っているので、そんな特別な自分にふさわしい成功や賞賛を夢みています。

また、他人は自分に賞賛をおくり、特別扱いするのは当然だという感覚も持ち合わせていることが人間関係や社会生活に影響を与えます。

【自己愛性パーソナリティ障害の特徴】

■自分自身への誇大な評価

✔︎自分は特別な才能や能力を持っている人間だと思い込み、それに伴った傲慢な行動や発言をする
(もったいぶった口調、自分自身の重要性をほのめかす、自分はこんな場所にいるべき人はないと思い込むなど)

✔︎有名人や権威のある人との関係を親友のように身近な人として話す
(ステータスや社会的地位の高い人と知り合い=自分は特別だという裏づけ)

✔︎「天才」「一流」という言葉を好み、自分の自慢話をしたがる

✔︎他人への嫉妬心が強い、または他人が自分に嫉妬していると思いこむ

■他者への共感の欠如

✔︎自分を賞賛してくれる取り巻きを求め、その頂点に君臨したがる

✔︎相手の悩みや感情を理解しない発言をする
(ダイエット中の相手の前で自分は痩せていると自慢をする、体調が悪い相手の前で自身の健康自慢をするなど)

✔︎自分の成功や賞賛のために周りの人を利用したり裏切る

■他人からの評価に過敏で傷つきやすい

✔︎非難に弱い、または非難は一切受け付けず、そのような状況になると激しく怒り反撃する
(自分のやり方に口だしをされる、欠点を指摘されるなど)

✔︎少しの悪評で絶望を感じ、自殺を考えることがある

自己愛性パーソナリティ障害の人は”特別感”が非常に大事。

それは経済力、学歴、才能、芸術性、容姿、ファッションといった形でも現れ、見栄えの良い仕事、注目をひく格好、希少価値の高い持ち物を持つ、美容整形を繰り返す、誰も知らない知識を持とうとするなどで、自己を補おうとします。

また、他人との勝ち負けにこだわり自分が勝っていると感じると見下し、負けていると見下されていると感じるため、自分の周りは見下している人をおき、”自分が一番優れている”と感じられる状況をつくる傾向があります。

自己愛性パーソナリティ障害の人は第一印象は非常に魅力的で人を惹きつけることが多いのですが、その裏で自分を賞賛してくれる人かどうかを無意識的に見分けていて、親密になるにつれ身勝手さや粗雑な関わりが露呈することも少なくありません。

対人関係では、賞賛してくれる人たちと、現実世界で起こる問題処理や自分のお世話を代行してくれる依存対象を求めるため、前者の間は”お客さん”のように丁寧に扱ってもらえるが、後者になると召使いや家政婦のような扱いになることも多い。

そして、そのどちらでもなくなった場合は無関係な人になり関わりが途絶える、というのが自己愛性パーソナリティ障害の人に多い人間関係の構築です。

自己愛性パーソナリティ障害はありのままの自分を受け入れられない状態

自己愛とは、自分を大切にする能力。
精神医学では「自己愛の成熟=自分を肯定的に捉え、愛している状態」で、成熟すると自分だけでなく他人にも愛情を注ぐことができるようになるといわれています。

自己愛性パーソナリティ障害の人はこの自己愛が未熟な状態。(ありのままの自分を受け入れ愛することができない)

その未熟さの表れが、自己愛性パーソナリティ障害の特徴的な症状である、自分は特別だと感じる「自己の誇大化」・「他人からの評価に過敏になる」・「他者への共感の欠如」につながっています。

他者からのマイナスな評価を受け入れられないというのは、自分はできる・自分は特別な人間だという思い込みの強さでもあり、セルフイメージを誇大にもつことで自己愛の欠如している部分を補っている証。

他者への共感が欠如するのも、相手の立場に立つことや状況を読むことより”自分自身”が優先されたり、自分の目的のためになら他人は利用してもよいコマのように捉えてしまうところに原因があります。

自己愛性パーソナリティ障害の2つのタイプ

自己愛性パーソナリティ障害の根底には未熟な自己愛がありますが、その症状の現れ方で2つのタイプに分類できます。

■無関心型:周囲のことは気にしない

無関心型は自己愛性パーソナリティ障害の健在型とされていて、「自分はできる・特別な人間なんだ」と思い込んでいるため、他人との関わりは自分の利益を考えて付き合います。
そのため自分の意思に沿わなかったり、責められるなど不利益なことがあると攻撃的になったり怒りを表しますが、こういった言動は弱い自己を守る防衛本能の1つといわれています。

✔︎自分に夢中で周りの人たちの反応を気にしない・考えない

✔︎傲慢で攻撃的な態度や言葉遣いをする

✔︎注目の的でないと気に入らない

✔︎他人の気持ちを傷つけることや、逆に自分が他人によって傷つけられたと感じることに鈍感

✔︎人の意見や教えを受け取れない。(送話器は持っているが、受話器を持っていない)

■過敏型:周囲を過剰に気にする

過敏型は自己愛性パーソナリティ障害の潜在型とされていて、身の丈に合っていない自分の理想像を掲げていますが現実の自分とのギャップに悩んでいます。
他人からの評価に過敏に反応して傷つきますが、自分は本当は素晴らしい才能があると誇大化したセルフイメージを持ち続けているため、自分自身を責めて落ち込んでしまうサイクルにハマりやすいのが特徴。

等身大の自分自身に自信が持てず、ありのままの自分を受け入れることができていません。

✔︎周りの人の反応に過敏で落ち込みやすい

✔︎抑制的・内気で恥ずかしがり屋

✔︎自分の意見や感情を表にださず、自分より周りの人に注意を向けている

✔︎注目の的になることを避ける

✔︎傷つけられたと容易に思い、屈辱を感じやすい

自己愛性パーソナリティ障害の原因は?

はっきりとした原因を特定するのは難しいといわれていますが、気質的要因(遺伝や性格)と環境的因子が影響していると考えられています。

■気質的要因

気質的要因は感情の動きや思考のクセで、先天的なものと後天的なものがあります。
例でいうと、物事にどれぐらい関心を持っているか、どのぐらい面白いと感じると、どのぐらい思慮深く見ることができるか、などです。

神経質な人がいれば大雑把な人がいるように、自己愛も気質的に高い人と低い人がいます。

■環境的要因

環境的要因とは家庭環境や親子の関係性のことをさします。
大きく分けると2パターンあり、それぞれの要因が加わって人格(パーソナリティ)は形成されています。

✔︎共感が薄く褒めない

1つは子どもの承認欲求に対して共感の態度を示さないケース。

子どもは親に認められたい・褒められたいという欲求を持っていて、それに対して肯定的に応える(共感)ことが自己愛をつくる上で重要ですが、親が共感の態度を示さず無視すると共感不全になり自己愛がうまく育ちません。

子どもは最初誇大な自己を持っていて”自分はなんでもできる”と思っているのでやりたいと思ったことはなんでも行動に移そうとし、そしてその自分自身を承認して欲しい相手(親)に掲示して誉められることで自己愛を育てていきます。

そして成長とともに親に褒められることは重要に感じなくなり、自立していくのが自己愛成熟の過程ですが、自己愛が未熟なまま成長すると親だけでなく他人の賞賛や注目を集めて未熟な部分を補おうとします。

ですが、他人からの承認で自己愛が成熟することはないので、いつも人に注目され承認されていないと不安に感じるようになります。

✔︎過保護で特別扱いをしすぎる

もう1つは子どもに過剰な期待をする、誉めたてて特別扱いする、または過保護に接するなどが原因になるケース。
放任もよくありませんが、過剰にかまいすぎるのも自己愛の形成に影響して未成熟になります。

自己愛性パーソナリティ障害の判断基準

自己愛性パーソナリティ障害

自己愛性パーソナリティ障害は「ICD-10」(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)に診断基準があります。
要約していますが、下記から5項目以上認められれば自己愛性パーソナリティ障害の可能性が高くなります。

【自己愛性パーソナリティ障害の診断基準】

✔︎誇大な自尊心をもっている
(業績や才能を誇張する、実績がなくとも自分の有能さは認められていると期待したり思い込む)

✔︎際限のない「成功・能力・美貌・権力」や理想の愛の形にとらわれている

✔︎自分は特別で、他の特別な人(地位が高い、特別な能力や才能を発揮している人)たちだけが自分のことを理解でき、そういった人たちと関係を持つべきだと思っている

✔︎過剰な賞賛を求め続ける

✔︎特権意識が強い
(自分に好都合な特別待遇を期待したり、他人が自分の要望をそのままに受け入れることを期待する)

✔︎他人を利用する

✔︎共感性の欠如
(人の気持ちや欲求を認識したり、気にしようとしない)

✔︎他人に嫉妬する、または他人は自分に嫉妬していると感じている

✔︎傲慢な行動や態度をとる

自己愛性パーソナリティ障害の克服方法

自己愛性パーソナリティ障害

克服には本人だけでなく、家族や周りの人の協力も必要で、3つのポイントを頭に入れて治療に臨みましょう。

1、効果が現れるまで数ヶ月〜数年かかる
2、絶対的な治療法(マニュアル)はないので、効果がでなかった場合は違う方法を試す
3、信頼関係をしっかりとつくる

【サポートする側で大事なこと】

■本人が自分と向き合える状態をつくる
うまくいかないことを障害や家族のせいにする、医師やカウンセラーがなんとかしてくれるという考えから、自分自身の問題だと捉えて向き合えるように促しましょう。
かなり時間が必要なので根気強く、何度も繰り返すことが大事。

■関係性のあり方を見直し何ができるかを考える
本人との間にどんな関係性ができているか?問題があるならどう改善していくと良いか?を考え行動に移していくと◎。
これまでの関わり方が原因になったのでは・・・と思い悩む人もいますが克服に向けて健全な思考で捉えましょう。

【克服のポイント】

■他人から学ぶこと心がける

自己愛性パーソナリティ障害の人は謙虚な姿勢で他人の言葉や教えを聞くことが苦手。
ですが、そこが改善できれば空想ではなく現実の世界で成功を手にすることができます。

自分にとって目を背けたいことを言ってくれる人を大切にして学ぶ姿勢を忘れないことが、欠点を克服するポイントです。

自己愛性パーソナリティ障害の人は自分に夢中になるあまり、視野が狭くなりがち。
そのためせっかくの能力を開花させることができずに、理想と現実のギャップに苦しんでいるケースも多いのです。

”つまらないと感じることからも学ぶことはたくさんある”と他人や外の世界から貪欲学び続けましょう。

■集団で何かをする経験

自己愛性パーソナリティ障害の人は集団の中でも、孤立・自己中心的・内閉的に振る舞ってしまい協力することが苦手。
そのため、チームプレイが必要なスポーツや活動に関わることが自己愛性パーソナリティ障害の克服へとつながります。

集団の中にいると、自分の行動が1人で完結せず、組織全体にどれだけ貢献しているか?で価値が測られたり、自分のことよりチームを立ててサポートすることが必要なときもありますよね。

また、組織にいると容赦ない批評をチーム内で受けることや自分の思い通りにならないことが多いなど、自己愛性パーソナリティ障害の人にとっては苦痛な状況になるといえます。

そういう機会を避け、自分1人か、自分と相手の2人だけで出来ることを好みがちですが、集団の中で経験を積み、チームアシストに喜びを感じるようになってくると、効果が出てきている証。

■他者のために生きる経験

他者に献身したり社会的活動をすることは、自己愛や自分の利益を超えて愛情を注ぐことになり、結果的に自己への執着をやわらげます。
他者は家族、パートナー、友人でもいいし、もっと遠い関係性の相手でもいいですが、今までのように自己にこだわって生きることから、他者のために生きることを主体的に選ぶことが大事。

専門家の力も借りて

自己愛性パーソナリティ障害の診断は専門家でも難しい複雑なもの。
身近な人でパーソナリティ障害が疑われる場合、カウンセラーや心療内科の医師といった専門家の力を借りることをおすすめします。

自己愛性パーソナリティ障害は克服できるので気になる場合は早めに本人と一緒に診療を受けてくださいね。

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SmileHouseスタッフの妙加(たえか)です。 仕事に追われつつドタバタと記事を書いていますが、がんばって子育てに役立つ情報を更新していきたいと思っています。 最近はランニングとあんこと半身浴にハマっています♪