視床下部の役割まとめ。視床下部は自律神経とホルモンの中枢

こんにちは
Smile Houseの妙加です。

視床下部は間脳の一部で、内分泌機能や自律神経の調整といった、生命維持の中枢をになっている器官です。

食欲や情緒行動、性欲など本能行動も制御しています。

今回は、視床下部のはたらきや視床下部のホルモン、視床下部に障害が生じたときの症状などをまとめました。

視床下部のはたらきとは?

視床下部

視床下部は生命維持の中枢

視床下部は生命現象を管理している自律神経(交感神経と副交感神経)や内分泌機能を調整する役割を持っています。

視床下部のになっている生命現象とは、

■体温調節

■血圧

■心拍

■食欲(摂食&飲食行動)

■性行動

■子宮収縮&乳腺分泌

■情緒行動(大脳皮質&辺緑系皮質)の調整

■下垂体ホルモンの中枢

■自律神経系の中枢

といった本能行動です。

特に視床下部は自律神経系の最も複雑・精巧な中枢を担っているので、生命維持の中枢とされる非常に重要な器官です。

大脳辺縁系や大脳皮質の影響を受けている

視床下部は自律神経の中枢ですが、視床下部自体は大脳辺縁系や大脳皮質から影響を受けて活動しています。

外部からの刺激を受けて大脳辺縁系から視床下部に情報伝達され、それをもとに視床下部から自律神経に指令が下り、身体や心の状態を変化させるのです。

例えば、自転車に乗っていて交差点の死角から急に人が飛び出して来たら、まずは大脳辺縁系で「危ない!」(恐怖)という感情が生まれますよね。

その感情の情報が視床下部に伝わり、視床下部は自律神経に「生命危機だ!危機対応のため、交感神経を活性化させろ」という指令を出します。

交感神経が優位になると血圧と心拍を上昇、汗をかき、筋肉は収縮させるというように全身が興奮状態になり、瞬時に動ける身体に変化するのです。

このように視床下部はは大脳辺縁系(本能的欲求や情緒の元)からの情報を受けて、自律神経の調整役をしています。

また、視床下部は大脳皮質(知覚・思考・推理・記憶・判断などの情動を含む心理行動の司令塔)の影響も受けています。

サスペンスを見ていてドキドキする、好きな人と一緒に過ごして胸がときめく、自分の部屋でホッと落ち着くなどは大脳皮質から受けた情報で自律神経が変化しています。

視床下部のホルモンと下垂体ホルモン

視床下部ホルモン
視床下部は下垂体ホルモンの分泌を調整する中枢。

視床下部のホルモンが下垂体から分泌されるホルモンをコントロールし、身体の恒常性を維持しています。

視床下部から分泌されるホルモン

■性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)放出ホルモン(GnRH)

■甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)

■成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)

■副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)

■ソマトスタチン(SST)

■ドーパミン

下垂体から分泌されるホルモン

視床下部から分泌されたホルモンを受けて、下垂体から分泌されるホルモン。

■黄体形成ホルモン

■卵胞刺激ホルモン

■甲状腺刺激ホルモン

■成長ホルモン

■副腎皮質刺激ホルモン

■プロラクチン

■抗利尿ホルモン

■オキシトシン

視床下部に機能障害が起こるとどうなる?

視床下部障害
視床下部の機能障害が起こると、下垂体ホルモンの分泌に異常が起こり、その影響で様々な内分泌疾患を発症します。

また、視床下部は自律神経や食欲、体温・血圧をコントロールしているので、こういった恒常性維持に支障が出るケースが多いでしょう。

例えば、

■摂食障害(過食、拒食)

■不安や易怒性(情動の障害)

■短期記憶障害・記銘力障害(認知機能障害)

■笑い発作・泣き発作

■性欲の抑制や亢進

■睡眠障害(傾眠・睡眠過多)

といった症状が現れます。

視床下部障害で起こる疾患を次にまとめました。

視床下部性肥満

視床下部は食欲の中枢と下垂体ホルモンの調整をしているので、損傷すると制御できない過食や自律神経の異常、代謝異常が起こり高確率で難治性の肥満が発症します。

視床下部性肥満の多くは糖分の恒常性が崩れていて、食欲や代謝のコントロールができていません。

原因としては、

■重度の下垂体障害

■視床下部の損傷

■低年齢のときに腫瘍ができた既往歴がある

■視床下部に高線量の放射線治療の既往歴がある

などが、危険因子として考えられています。

また、腫瘍が原因で発症した場合は腫瘍が大きかったほど高度な肥満を発症します。

子どもが頭蓋咽頭種(下垂体にできる良性の腫瘍)を発症すると40%以上の子が高度の視床下部性肥満になるとされていて、腫瘍の治療3年以内に発症し、1度発症すると治りずらいので肥満対策をしっかりとすることが大事。

発症した後は、脂肪肝・心疾患・高脂質血漿・糖尿病・高血圧・動脈硬化といった肥満が原因で起こりやすい合併症に気をつけなくてはいけません。

視床下部性肥満も太る原因は、低代謝&運動不足で摂取カロリー>消費カロリーになっていることが原因。

代謝バランスが崩れているので、肥満改善は非常に難しいですが、しっかりと意識して有酸素運動でカロリー消費&筋トレで筋肉量を増やし、食事管理をするといった減量の基礎をしっかりとすることが大事です。

間脳症候群

上記とは逆で摂食障害で食が細くなり嘔吐することも増え、代謝異常で食べても太らなくなるためひどい痩せ状態になります。

(ただ細いではなく、骨と皮の状態)

様々な視床下部の疾患で起こりますが、とくに多いのは1歳前後の時に星細胞腫が発症しそれが進行して大きくなった時です。

治療法はなく、食べられない時は点滴を通して栄養摂取をする対処療法を行います。

原因が腫瘍の場合、小さくなると間脳症候群も改善しますが、その後は肥満になるケースが多いので対策が必要。

また、長期生存できた場合は10歳以下で二次性徴を迎える子どもが多ようです。

体温調整の障害

視床下部の体温調整は、深部脳温度と末端温度受容器の体温情報をキャッチして自律神経を調整しておこないます。

調整は3つで、

■骨格筋の代謝

■皮膚の小動脈の収縮

■汗腺機能

人の体温は外気温が変化しても一定に保たれていますが、視床下部の体温調整障害が起こると自律神経の機能が低下し、外気温の変化と共に体温も変化する変動体温となるのが特徴です。

この温度調整中枢は頭蓋咽頭種が第3脳室にあるケースやガンマナイフ、サイバーナイフの治療の後に発症しやすくなります。

外気温が低いとあっという間に低体温症(体温が35度以下)になり、外気温や湿度が高いと発熱してしまうので、体温調節が欠かせません。

体温調整ができない状態で生きるのは非常に難しいので、重篤の視床下部の体温調整障害を発症して長期間生存できるケースは稀です。

発汗異常

体温調整と同じところに発汗調整の中枢があります。

両側の発汗異常だとそれほど目立った症状は出ませんが、発汗異常が左右両半身にあらわれるとホルモンや薬の副作用を考える必要があります。

発汗異常で汗が出ないことよりも、ホルモン分泌や体温調整といった現象の方が顕著にでますが、その他の視床下部障害に比べると発汗異常は日常生活への影響は少ないでしょう。

ナトリウムバランス障害

視床下部障害では低ナトリウム血症や高ナトリウム血症になります。

視床下部障害では低ナトリウム血症の方が多く、塩化ナトリウムの排泄調節がうまくできず尿から塩化ナトリウムがですぎてしまいます。

とくに視床下部の腫瘍、頭蓋顔面骨奇形などの術後に起こりやすい後遺症で、悪化すると意識障害や痙攣を起こすので注意が必要。

視床下部は生命維持の中枢をになっている器官

視床下部は

■体温・発汗調節

■自律神経の中枢

■下垂体ホルモンの司令塔

■食欲の中枢

といった役割があり恒常性維持をする大切な器官なので、視床下部に障害があると生命維持や本能的な欲求に影響が出ます。

大半の症状で有効な薬物療法や根治療法が確立されていないので、症状に合わせて対処療法をおこなうことになりますが、現状では脳の構造はまだ解明されていないこともたくさんあり、研究が進められています。

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ABOUTこの記事をかいた人

SmileHouseスタッフの妙加(たえか)です。 仕事に追われつつドタバタと記事を書いていますが、がんばって子育てに役立つ情報を更新していきたいと思っています。 最近はランニングとあんこと半身浴にハマっています♪