演技性パーソナリティ障害とは?<自分の空想や役割を演じる人たち>

こんにちは
Smile Houseの妙加です。

演技性パーソナリティ障害とは、役割や空想の中にいる自分自身を演じることで、他人からの興味関心を得ようとする人たちのことです。

中には周囲が気がつかないほどに巧妙に演じている人もいます。

今回は演技性パーソナリティ障害の特徴や症状、診断基準、克服方法をまとめました。

”空想や理想を演じる”演技性パーソナリティ障害とは?

演技性パーソナリティ障害

演技性パーソナリティ障害の根底的な部分には「人を魅了しなければ、自分には価値がない」という思い込みがあります。

自分の存在を保つために、目の前にいる人を魅了して注意を惹きつけることが重要と考え、自分自身のありのままの姿でいるのではなく、周囲にアピールするかのように様々な役柄を演じることが大きな特徴です。

その役は完全無欠なヒロインだったり、清楚なお嬢様の場合もあれば、災害や犯罪に巻き込まれた被害者や可哀想な生い立ちを持った人といった役割を演じることもあります。

わざとらしい設定の場合でも見事に演じきっているので周囲が信じ込んでしまうことも多い。

人の注目を集めたがるといった点では、自己愛性パーソナリティ障害と似通った部分がありますが、大きな違いは演技性パーソナリティ障害の人は、他人の興味関心を集めるためなら自己犠牲や貶めることもやってしまうところがあり、非常に不安定な要素を含んでいることです。

実際のところ非常に衝動性が高く、自殺や薬物乱用、犯罪などにも関わりやすい傾向があります。

パーソナリテイ障害の特徴としては、

✔︎出来事を実際より大げさに表現する
✔︎感情は激しいが、変化しやすく長続きはしない
✔︎周りからの影響(評価や振る舞い)を強く受ける
✔︎自分の外見がとても気になる
✔︎目新しい事や刺激を求めている
✔︎異性に対して性的な誘惑を頻繁に行う

といったものがあります。

基本的な特徴は対人関係で過度に注目を集めようと役割を演じることで、自分に関心が集まっていれば戯言や虚偽、相手の気持ちなども考慮しないといった自分本位な思考があります。

ですが本人は自分の空想にある幻の自分と現実とのギャップに苦しみ、非常に不安定な精神状態にいるため、その穴埋めのために演技や嘘を繰り返しています。

また、性的に挑発したり誘惑する行動をとることが多く、異性として関心のある人だけでなく職場の人や顔見知り程度の相手にもアピールをするので、同性の友人との交友関係をうまく築けません。

性的なアピールをするからといって積極的なわけではなく、遊び半分で気を引きたいだけのことも多いようです。

大げさな表現は、出来事や自分の意見をいう時だけでなく、人間関係においても実際より親密だと思いこむことが多く、顔見知りの人を親友と言ったり、一度会っただけの取引先の相手を下の名前で呼んだりします。

演技性パーソナリティ障害の症状

■自分に興味関心が集まり注目されていないと楽しくない

常に自分が注目される話題や、参加できる話題でないと不快感を感じ、無理に話題を変えたり自分に関心を向けようとします。

注目が集まるなら、自傷行為や自殺未遂、他人への批判中傷であっても良いと捉えどんなことでもします。

幼少期に親から関心や興味を向けてもらえず関係性を築くことができなかったり、愛情不足が原因だと考えられています。

■他人との交流に性的な誘惑やアピールをよくする

女性の場合だと露出の多い服装や胸元を強調した服装などで女性性を強く演出しようとします。

男性の場合でも外見に強いこだわりを見せて「異性からみて魅力的かどうか」に基準をおいています。

相手に対して、「自分はあなたに異性として好意があります」といった態度を取り、そして男女問わず、相手の興味が自分に向かなかったときはボディタッチや性行為をにおわす会話をして誘惑したり挑発して、自分に興味を向けようとします。

■印象に残る表現で、内容のない話しをする

「社交的で明るく物腰柔らか」「万人受けをする内容で話題が豊富」「一見とても良いことを言っている」というような話し方をすることが特徴で、初対面や浅い付き合いでは魅力的に感じることも多いのですが、長く付き合うと

・自分の話なのに、本人をイメージできない
・小説・ネット情報・漫画などのメディアから引用している
・他人の意見や一般論を自分の考えのように話している
・抽象的で思わせぶりな表現が多く、語彙が少ない

といったことに気がつくことになります。

演技性パーソナリティ障害の人は自己一致しておらず、自分らしさを追求したり、自分の人生について悩んだり考えるといった経験が少ないため、内面的には非常に希薄で「その人らしさ」を感じることが難しい。

そのため、交友関係が深まるうちに魅力を感じなくなり人が離れていくことが多く、それを引き留めるためにさらに虚偽やセックスアピールでつなぎとめようとしてしまいます。

■他人との距離感を実際以上に親密に捉える

他人との距離感を少しずつ縮めていくことや距離感をはかることが苦手で、実際は顔見知り程度でも自分が相手にとって必要不可欠な存在だと思い込み振る舞います。

知り合い程度の人を長年の付き合いのように扱ったり家に押しかける、過剰なプレゼントをするといった行動や、望まれていないのに他人の世話やお節介を焼きたがり他人の懐に入り込もうとする行動をとろうとする。

ですが、人に囲まれていたいという欲求が強いだけで他人に興味関心はないので、「仲間」「親友」「友達」といった関係を求めはしますが、実際に友人・恋人になった相手への愛情は少なく、自分に興味が薄まったと感じるともっと関心を向けてくれる人を求めてしまうため、親密な人間関係を築くことは大変難しいとされます。

■行動や感情をオーバーに表現し、虚言癖がある

出来事や感情を表すときに、体を大きく使ったリアクションをとったり、演技じみたオーバーな行動をします。

例えば、ひらめいたときに片手でポンともう片方の手を叩いたり、びっくりしたときに手で口を塞いだり、両手を頭の横にあげるなどです。

些細なことを重大な出来事のように話したり、自分にとって都合の良いように書き換えて話すこともあります。

必要以上に具合が悪いふりをフリをしたり、見栄をはるために借金をして買った服をプレゼントされたというケースもあります。

■他人の影響を強く受ける

演技性パーソナリティ障害の人は嘘や役割で自分をかためているため、自分の好みや望みが認識できていません。

そのため人の話に左右されたり、流行に流されやすいので環境や人からの影響を強く受けます。

自分の好みや自分らしさよりも「人から見て魅力的に見えるには」が優先されます。

そのため、今まで「おとなしいお嬢様風」な外見や性格だったとしてもその自分が周りに注目されなければ、「奇抜なファッションで活発」な人にもなれます。

演技性パーソナリティ障害の診断基準

演技性パーソナリティ障害診断

演技性パーソナリティ障害の診断基準はDSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)にあります。
要約していますが下記のうち5つ以上当てはまれば演技性パーソナリティ障害だと診断されます。

✔︎自分が注目されていない場は楽しくない
✔︎他人との交流は性的に誘惑・挑発的な行動で特徴づけられる
✔︎浅はかですばやく変化する感情をあらわにする
✔︎自分へ関心を向けるため身体的外見を一貫して用いる
✔︎印象的な言葉や表現を使うが、内容のない話をする
✔︎自己演劇、芝居じみた態度、誇張した表現をする
✔︎他人や環境の影響を受けて流されやすい
✔︎対人関係を実際以上に親密に捉えている

演技性パーソナリティ障害の克服方法

演技性パーソナリティ障害克服

克服には自分の心や行動と向き合うことと、時間が必要になります。
一人では難しい面もあるので、周囲の人や専門家の助けてもらいましょう。

【自分自身と対話する】

演技性パーソナリティ障害の人は他人からの見た目や自分の外見に関心がいき、反応的に振る舞ってしまって自分の気持ちや感情をないがしろにしがち。

周りを楽しませたり、注目を集めて自分の存在価値を保とうとする生活を続けているので自分の本当の気持ちがわからなくなっています。

また自分と向き合って寂しさや空虚感といったつらい気持ちを感じると、人から注目を浴びている刺激的な瞬間に注意が向いてしまい、自分の傷に蓋をして結果的にさらに寂しさを募らせていくといったことにもなりがちです。

演技性パーソナリティ障害を克服する最大の方法は、自分と向き合う時間を積極的に確保して、自分の本心に触れる練習をすることです。

寂しさや空虚感を感じるのは、ある意味自分と向き合えている証拠でもあります。

自分のために過ごす時間をつくり、一人の時間を楽しめるようになってくると回復の兆しがみえてきた証拠。
外部からの視線ではなく、自分自身の気持ちや感情を大切にしましょう。

【我慢強く、時間をかける】

演技性パーソナリティ障害の人はどうしても新しい刺激や視線を求めて、人間関係や仕事も取り組みがち。

楽しくないと悲しくなる、新しい刺激がないとつまらなくなるといった極端な捉え方や気分の浮き沈みがあるため、いつもドキドキすることを求めてしまいます。

そういった刺激や興奮がなくても幸せは感じることができることや、ゆっくりとした時間の流れを大切にすることも克服の一つです。

心の感受性や喜びを感じる幅を広げて、今あるものを大切にしたり、長期の人間関係を築くことがとても効果的。

仕事、人間関係、趣味など様々なものに対して長く関わり続けてみましょう。

接し方のポイント

演技性パーソナリティ障害の人と関わるときに気をつけたいことを2つ紹介します。

【演じている役割を面と向かって指摘しない】

接し方の方向性は大きく分けると2つあります。

一つは演じている役割に賞賛や賛同といった相手の望む反応をすること。
もう一つは、相手を遠ざけることです。

気をつけなければいけないのは、相手を遠ざける対応をするとき。

拒絶の意思を出せば絶縁状態になるだけでなく、高い確率で自分の悪評や悪口を周囲に言い回られる可能性があります。

つまり、こちらが拒絶することで演技性パーソナリティ障害の人は「被害者」の役割を演じはじめ、こちらを非情で悪徳な人間に仕立ててしまいます。

そのため関係性を維持をしていくには、演技や虚言に気がついても指摘しないというのが基本的な関わり方。

ただ、もっと親密な関係になりたいと思い、長い時間を過ごすと演技性や虚偽が目についてしまうはず。

その時に大事なのは【相手がどんな役割を演じていても、振り回されないこと】

例えば「被害者」を演じ、自分の悪口や、暴力を振るわれた、ものを盗まれたなど無実無根な出来事を周囲に言いふらしていても感情的になってはいけません。

相手に対して怒鳴り込んだり対抗してしまうと最悪の場合、冤罪の逮捕や警察沙汰に発展したこともあるからです。

どんな時でも冷静に対応することが重要。

演技性パーソナリティ障害の人がそういった行動をする根本は心から相手を憎んでいたり妬ましく思っているのではなく、自分に「愛情」と「関心」を集めたいということを忘れないように。

そして、表面的な言動ではなく、内面にある寂しさや愛情飢餓に目を向けて根気よく関わりましょう。

【二次障害への対応を考える】

演技性パーソナリティ障害の人はパニック障害や鬱、その他のパーソナリティ障害の併発も多く様々な身体症状が現れることがあり、そういった症状とどう向き合い対応するのかがポイント。

頭痛・めまい・腹痛といったものから痙攣、失神、表現性障害など症状は多岐にわたります。

相手が病気や体調不良を言い訳に、理不尽な対応をしていてもそれを指摘すると被害者を演じたり、さらに症状悪化になることも多いので注意が必要なのです。

対処法としては、まずは休息を与えること。
症状が現れるのは休息や愛情を求めている証拠でもあります。

かといって甘やかすことも、ただの気の持ちようといって否定することも好ましくなく、良い対応としては「具合が悪いから休みを与えている」といった理由付けをしっかりした中で、一日ゴロゴロしていることを容認したり、行動制限をさせること。

そして少し改善してきた場合には、自分の身体化症状への対処を自分でさせていくことが大事。
自分の状態を正しく認識して対応することは、自分自身へ関心を向けることにも繋がります。

役割を演じていることを認識して、内面に目を向ける

演技性パーソナリティ障害は演じる役割によっては、人を欺いていたり貶めようとしているかのように写ることもありますが、そうしているのは注目や関心を集めて自分の存在価値を感じようとしているということを知っておかなくてはいけません。

感情的になったり拒絶したくなることもあるかもしれませんが、本人からすると寂しさを埋める行動の一つでもあるのです。

ただ、対処に注意が必要なのも事実。
対応に困ったりなやんだときは早めに専門家へ相談しに行きましょう。

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SmileHouseスタッフの妙加(たえか)です。 仕事に追われつつドタバタと記事を書いていますが、がんばって子育てに役立つ情報を更新していきたいと思っています。 最近はランニングとあんこと半身浴にハマっています♪