こんにちは
Smile Houseの妙加です。
モンテッソーリ教育では
「自己教育力」が発揮できる環境を設定することがとても大切です。
そのためには、子どもの「敏感期」という
子どもの能力が急激に伸びる特別な時期を見極めることが大事になります。
そして、敏感期が特に多く現れるのが0歳から3歳の間です。
今回は子どもの能力発達に欠かせない敏感期と、発達段階に合わせた関わり方についてまとめました。
モンテッソーリ教育の基本原理をまだご覧になっていない方は
こちらの記事をどうぞ
子どもの能力が急激に伸びる「敏感期」

「敏感期」とは
子どもがある能力を身につけるために
外界にあるものに特に敏感になり、
子ども自らが主体的に働きかける一定の時期
のことです。
なぜその時期が大切なのかを順を追って解説します。
敏感期とは特殊な感受性
敏感期とは特殊な感受性のことですが、もう少し砕けた言い方をすると、
「興味・関心」のことです。
生物学用語だと敏感期
医学用語だと臨界期
心理学用語だと発達課題
と言うこともできます。
興味がある
↓
面白くてたまらない
↓
何回も関わろうとする
何回も繰り返す
↓
出来るようになる
これが子どもの能力がもっとも正常に開花する発達の流れです。
つまり、
大人が一方的に押し付けて、何かが出来るようにさせることは
正しい発達の方法ではない
のです。
子どもが面白いと思ったもの、興味を持ったものに対して
一生懸命に関わり、
何回も何回も繰り返す姿が出てくると
それがそのまま、その子の発達に繋がっていきます。
敏感期の種類
敏感期は乳幼児期(0歳〜6歳)までの間に
様々な事柄を対象に現れるのですが、
大きく分けると8種類あると言われています。
そして敏感期は
一度に全ての敏感期が現れるのではなく、
時期をずらして、特定の時期に出現します。
- 言語の敏感期
- 秩序の敏感期
- 社会行動の敏感期
- 運動の敏感期
- 感覚の敏感期
- 数の敏感期
- 文化の敏感期
- 礼儀と作法の敏感期
これらの敏感期の中でも
0歳〜3歳の間に出てくると言われている敏感期が
- 言語
- 秩序
- 社会行動
- 運動
- 感覚
の5つの敏感期になります。
この5つの敏感期も0歳〜3歳の間ずっと現れているのではなく
3年の間で”この一定の期間にだけ”
という風により細かく区別することができます。
敏感期=発達の課題
敏感期のことをモンテッソーリ教育では「発達の課題」と捉えています。
どんな能力を身につけるために、子どもから敏感期が現れているのか?
というように子どもを観察し、敏感期を捉えていきましょう。
「敏感期」という視点を持つだけで
子どもに対する関わりは全く違った見方になっていきます。
- ティッシュの箱を見つけたらずっと無くなるまでティッシュを出し続けている
- コップの水を何回も何回も入れ替えている
- 物があると必ず積み上げていこうとする、まっすぐ並べようとする
- 出かけるときに決まった道を通らないと嫌がる
- お母さんと手を繋ぐときに決まった方の手しか繋ごうとしない
というように、
子どもが何気なくしていた行動や、
イタズラやワガママとしてうつり、叱ったり阻止していたことも、
「敏感期」の正しい知識や理解があると
「今は、運動の敏感期だ」
「今は、秩序の敏感期が現れているんだね」
というように、
子どもの発達や育ちに活かす
環境整備を考えていくことができるのです。
能力が開花する鍵は「環境」

モンテッソーリ教育には
モンテッソーリの三角形という図式があります。
その三角形を構成しているのが
- 子ども
- 大人
- 環境
の3者です。

【子どもと環境】
子どもは自分の発達の課題に見合った環境があると
主体的に関わろうとします。
【大人と環境】
大人は子どもから出てきている敏感期に見合った
環境を作ったり整備することが重要です。
「環境整備」というのは
子どもから出てくる敏感期に対応している
「モノ」や「教材」を子どもの周りにたくさん用意してあげることです。
モンテッソーリ教育ではこういった
モノや教材のことを「教具」と呼んでいます。
(教具はこれから何度か出てくる表現です)
【大人と子ども】
モンテッソーリの教具の中には
パッと見ただけではどうやって関われば良いのか?
というのがわからないモノもたくさんあります。
教具への関わり方だけでなく、
基本的な姿勢として意識してもらうと良いと思うのですが、
子どもが分からないモノに出会った場合は
大人が子どもに「提示」を行います。
提示とはどうやったらいいのか?を
実際にやって見せることです。
大事なのは、口で説明して分からせようとするのではなく
「実際にゆっくりやってみせる」こと。
0歳〜3歳の子どもは人間の社会に適応していくために
「真似る」という方法で色々なことを学んでいきます。
この時期は「模倣期」と呼ばれる時期でもあり、
大人の行動を真似ることが大好きな時期なのです。
つまり、私たち大人は
「常に子どものモデルになっている」ということを
自覚しなければいけません。
- 〇〇のように育って欲しい
- 物の扱い方
- 言葉遣い
など、子どもの振る舞いや成長像に対して様々な想いがあると思いますが、
そう思う気持ちがあるなら、
まずは大人がそのように振る舞い、
態度や言葉遣いを意識して生活をすることを心がけなくてはいけません。
何かを教え込むのではなく、
「自分は子どものモデルになっている」
という意識と自覚がとても大切なのです。
モンテッソーリの三角形はこのように
子どもの周りに適切な環境を整えると
子どもは自己教育力を発揮し、
色々なことができるようになる、つまりどんどんと「発達」を遂げていくことを表しています。
子どもの発達に大切な環境設定
子どもの能力を最大限に引き出すために「環境」はとても重要な役割を持っています。
そして、環境を整える時にポイントになるのが、
今回お話しした「敏感期」なのです。
子どもの敏感期に合わせて、おもちゃや教具を用意してあげること。
これが子どもが自己教育力を発揮し、発達していく重要なポイントになります。
モンテッソーリ教育の自己教育力についてはこちらの記事をご覧ください。