こんにちは
Smile Houseの妙加です。
愛着が安定して形成された人は
- 自分や他人のことを信じている
- ありのままの自分でいて大丈夫という安心感がある
- やりたいことに意欲的に挑戦していける
など、より良い人生を生きるために必要な様々な土台を持っています。
今回は、安定した愛着スタイルの特徴と
愛着を安定させるために必要な5つの関わり方についてまとめました。
安定型の愛着スタイル

安定型の愛着とは、
愛着に関しては問題なく形成されている状態のことです。
約60%の人は安定型の愛着スタイルだとされています。
対人関係の特徴
安定型の人の大きな特徴として「対人関係での絆の安定性」が挙げられます。
どういうことかというと、
他人に対して、
「人は自分のことを愛し続けてくれる」という安心感を持っています。
そのため、
- 自分は嫌われているのかもしれない
- この人からの愛情はいつかなくなってしまうのかもしれない
というようなことで疑心暗鬼になったり、悩んだりせずに過ごすことができます。
また、困った時や助けて欲しい時は
周りの人は助けてくれるという信頼感があるので
気軽に相談や、援助を求めることができます。
そのため人間関係で感じるストレスを溜め込まずに
バランスをうまくとりながら人と付き合うことが自然にできます。
また、仕事の中での人間関係に関してもストレスを溜めにくいため、
仕事に集中できたり、仕事そのものを楽しみながら取り組める傾向があります。
前向きで素直な思考
安定型の人のもう一つの特徴として、素直で前向きな姿勢を持っています。
人からの反応や言動を肯定的にそのままに捉える力があるので、
- 相手が自分を否定している
- 相手は自分のことを蔑んでいるのではないか
というような誤解や疑いを持ちません。
安定型の愛着を持っている人は自分自身に対しての肯定感や信用があるので、
そもそも人の反応や言動にあまり左右されず、自分の軸を持ち過ごすことができます。
人と意見の違いがあっても上手くやっていける
人はそれぞれ価値観が違うので意見の違いというのが必ずうまれますが、
安定型の愛着を持っている人は自分が相手の意見を否定したり、要求を拒否すると、
「相手が傷ついたり、自分のことを嫌いになるんじゃないか」
といった心配をせずに関わることができます。
自分の考えや気持ちを言葉にする
=相手を否定することではない
ということがきちんと別問題として認識されているからです。
自分の意見や気持ちを偽って相手に合わせたり、
思ってもいないことを言って不誠実なことはしません。
相手を信頼して、尊重しているからこそ、
自分の意見や気持ちの本音をオープンに話す方が誠実で、
相互理解につながるという考えを持っている人が多いのです。
お互いに意見を交換して話し合うときも
相手に勝とうとしたり、感情的に対立してしまわず、
相手への配慮や尊重することは忘れずに客観的なスタイルでゆとりを持って話すことができます。
相手の主張や考えによって、
自分の存在や立場や居場所などが脅かされると受け取らないので、
危機や恐怖から身を守るための攻撃に移る必要がないのです。
別れに対する捉え方
愛する人との別れがあった場合、
涙を流し、悲しいという気持ちは感じますが
- その気持ちに飲み込まれ、心が不安定になり、生きる気力を失う
- 抑え込んで、平気なふりをしたり、何事もなかったかのように振る舞う
というようなことはせず、
自分の感情をそのままに受け止めることができます。
そのため、
その人との思い出を回想したり、
悲しい気持ちはそのままに表現することができるので、出来事を短い時間で受け入れることができます。
自分の中にその大切な人が生き続けていると感じ、
乗り越えて前向きに生きていこうとします。
愛着形成で必要な5つのポイント

では、愛着をしっかりと形成するためには
どのように関わっていけば良いのでしょうか?
実は愛着形成を安定させるために難しい行動は一切ありません。
愛着関係を築くために大切なのは
- 応答的な対応
- 共感的な対応
- 安全性(安全基地)
- 安定性(一貫した対応、何でも話せる)
- スキンシップ
の5つを意識して行なっていきましょう。
応答的な反応
応対的な対応というのは、子どもが何か言葉を発した時に無視せず
「どうしたの?」「〇〇かな?」などの反応をすることです。
これは子どもが意味のある言葉を発しているか否かはさほど重要ではありません。
まだ「あー」とか「ぶー」というような言葉になっていない状態の頃でも
子どもが何か話した時は反応を返すようにしてあげましょう。
例えば、
- 授乳やオムツ変えの時に、たくさん話しかける
- 喃語に対しても、聞き流したりせず、話返す
- じっと見ているときは声かけをする
などです。
また、1歳ぐらいまでの間は対応するときは、
表情豊かに、ちょっと大げさに身振り手振りをして表現してあげるのがオススメです。
大きめの声で、ゆっくりと。
表情も仏頂面ではなく、きちんと表現して関わってあげてください。
このような関わりは、
- 笑ったり、泣いたりすると、相手は受け入れてくれる
- 自分の感じていることを表現してもいいんだという肯定感
- 周りの人への信頼感
を育てることになります。
共感性のある関わり
共感性のある関わりとは、
子どもの気持ちに寄り添い、子どもがどんな状態でも受け止めてあげることです。
悲しいときは、「悲しいね」
嬉しいときは、「嬉しいね」
と、子どもの気持ちを尊重してあげましょう。
まだ子どもが話せないときでも、
授乳やオムツ替えの時はコミュニケーションをとるチャンスなので、
「おいしい?」「お尻綺麗になって気持ちいいね〜」など
気持ちを代弁してあげてください。
よくありがちなのは、子どもがコケて泣いている時に
「痛くない」「大丈夫」と言ってしまいがちですが、
これは共感性という視点からみると、子どもに寄り添っているとはいえません。
子どもは痛くて泣いているわけですから、
「痛かったね」とその気持ちを十分に汲み取ってあげてください。
このように、子どもの欲求や気持ちを感じ取って対応してあげることで、
- どんな自分でも受け入れてもらえる
- 自分の気持ちを周りに伝えたい
- 相手のことを理解したいと思う気持ち
など自分や他人を尊重する気持ちを育てることができます。
安全性を確保する(安全基地)
愛着にとってとても大切なのは
「子どもの心の拠り所」になることです。
愛着対象者になる人は子どもにとって
つらいことがあった時、悲しいことがあった時、失敗した時に
- 「ここに帰ってきたら、心が休まる」そして「また頑張ろう」という活力が湧いてくる
- 自分は失敗しても、大丈夫だ
というような安心感のある存在になることが大事です。
物理的な身の安全の確保はもちろんのこと、
「ありのままの自分を受け入れてもらう安心感」を子どもが確保できるようにしてあげてください。
一貫性のある関わり
一貫性のある関わりとは、
言っていることややっていることに一貫性を持ち、子どもと関わることです。
- 昨日は良かったことを今日はダメとキツく叱る
- 子どもとの約束を守らず無かったことにする
- 自分の感情によって子どもへの対応を変える
など、日によって子どもに言うことや、やることを変えていると
子どもは何が正しくて、何がダメなのかがわからなくなり混乱してしまいますし、
親の反応が予測できなくなるので顔色を伺って関わるようになる可能性があります。
その状態が続くと、
- 子どもは自分らしく振舞うことができなくなる
- 〇〇な自分は良くて、〇〇な自分はダメ
と言うように、条件付きでないと人から認められないと感じたり、
自尊心があまり育たなくなる可能性があります。
スキンシップ
スキンシップは愛着形成でも重要な要素。
授乳やおむつ替えはもちろん、日頃からハグをたくさんしてあげてください。
今まであまり意識してスキンシップをしていなかった方は、
最初は少し戸惑うかもしれませんが、ぜひ今日から意識してハグを日課にしていきましょう。
また、スキンシップは幸せホルモンとも呼ばれている【オキシトシン】がたくさん分泌され、
子どももお母さんも両方が幸せを感じることができますよ。
日頃のコンディションをしっかりと整えて
このように、愛着はとってもシンプルな行動で形成されていくのですが、
単純なことでも
- 忙しい
- 疲れている
- ストレスが溜まっている
という心に余裕がない状態になってくると
なかなかできなくなってくるというのが現状だと思います。
愛着は
「どんな自分でも受け入れてくれる」
「自分は守られている」
という安全基地になることが大事なので
その日の気分やコンディションで対応を変えていると子どもは混乱し、
しっかりとした愛着が形成されず不安定になってしまいます。
ですので愛着を築く際は対象者のコンディションを整え、心に余裕を持って接することがとても重要になって来ます。
かといって完璧にこだわりすぎると少し子どもにキツく当たってしまった時に
「こんな自分はダメだ」「理想通りにできない!」とストレスになってしまいます。
「そんな時もある」と気持ちを切り替えたり、息抜きの時間を作ってコンディションを整え、
できる範囲でまた5つのポイントを意識して関わってみてくださいね。