こんにちは
Smile Houseの妙加です。
子育てにおいて子どもとの間にしっかりとした「愛着」を築くことが
子どもの人生を大きく左右する要素ですが、
愛着は「基本的信頼」とも言われています。
ですが、
- なぜ愛着や基本的信頼が人生において重要なの?
- もし愛着がしっかりと築かれなかった場合はどうなるの?
という疑問を持たれる方も多いと思います。
そこで今回は、愛着の具体的な影響力や不安定な愛着になると表れる行動についてまとめました。
基本的信頼感(愛着)の影響力

子どもの人生に大きく影響する「愛着」ですが、
一体どんな効果や影響があるのでしょうか。
実は、愛着形成がしっかりされた場合と不十分な形成だった場合とではこのような違いがあります。
愛着形成がしっかりされた場合
愛着がしっかりと築かれると、心の中にこのようなベースが出来上がります。
- 自分に自信を持って行動ができる
- 人を信じて、行動ができる
- 相手の価値観や考え方を理解でき、共感できる
- 自分を律することができる
- 自己肯定感が高まる
つまり、
「自分を守ってくれるから、他人は信用できる」
=「自分は守られる価値がある」
=「周りの人たちは信用するに足りる存在だ」
という土台が出来上がりますので
社会的な行動や周りの人に対しても、
情緒的な関わりが取れるように成長していくと言われています。
愛着形成が不十分だった場合
逆に何らかの理由で愛着が不安定になった場合、
- 自分に自信がなく、消極的だったり、新しいことをやりたがらない
- 無力感、無気力感を感じやすくなる
- 人を信じられないので、頼ることができない
- 相手の価値観や考え方を受け入れらない
- 心のよりどころを求め、何かに依存しやすい依存体質になる
- 自己肯定感が低い
というような感情が心の中に出来上がります。
つまり、
「周りの人は、自分を守ってくれないから信用できない」
=「自分は守られる価値がない」
=「周りの人は、信用をしてはいけない」
というような土台が出来上がりますので
社会になかなか適応できなかったり、人間関係で支障が出やすくなると言われています。
愛着が不安定な人に表れやすい行動パターン

では、愛着が不安定な状態になると人はどのような行動をするようになるのでしょうか?
愛着とはいわゆる
【どんな自分でも愛され、自分は様々なことができると信じ挑戦することができ、他人のことも信じる力】ですので、
愛着が不安定になると、
- どうにか愛情をもらおう
- 自分の存在を認めてもらおう
とするようになります。
愛着が不安定だと心の奥底で慢性的に
「自分って愛されているのかな?」
「自分は存在していていいのかな?」
「自分はやりたいことを実現する力を持っているのかな?」
というような不安を抱えた状態になるので
そういった心の不安定さをカバーするため、周囲を【コントロール】するようになるのです。
例えば、
- 攻撃や罰を与えて周囲をコントロールする
- いい子に振る舞い、親(愛着対象者)を褒めたり手伝おうとする
- 人の顔色を見て自分の言動を変える
といった行動が当てはまります。
子どもによってこう行った行動をするようになる時期は違いますが、
早い子だと愛着形成が一通り完了する2歳を過ぎた3歳〜4歳ごろから表れはじめます。
このようなコントロールしようとする行動は3種類あります。
支配的コントロール
暴力や心理的な優越によって相手を思い通りに動かそうとします。
将来的にDVや、子どもの虐待に繋がることもあります。
従属的コントロール
相手の意に従って、恭順することで相手の愛顧(贔屓)を得ようとします。
一見すると、コントロールとは正反対で、とてもいい子に見えるかもしれませんが、
相手に合わせて、相手の気にいるように振舞ったり、相手の支えになったりすることで、
相手の気分、愛情を自分に向けようとしているので、コントロールと言えます。
操作的コントロール
支配的コントロールと従属的コントロールが巧妙に組み合わさっていて、
相手に強い心理的な衝撃を与えて
同情や共感、反発を起こして、相手を思い通りに動かそうとします。
- 脅す、罰を与えるなどで恐怖を感じさせて操作しようとする
- 恩を売って罪悪感を感じさせて思い通りに動かそうとする
- 憐れみを誘って、援助を引き出そうとする
など、「人の感情はコントロールできる」というような幻想を抱いている状態です。
相手のあらゆる感情を刺激して、自分の思い通りに動かそうとします。
どの方法も、愛着が十分に形成されなかったために感じる
不安定な状態を安定させるために、自然と身につけていきます。
3~4歳頃から不安定な愛着が安定しない限り一生継続して見られることが多いですが、
成長とともに変化したり、相手によってコントロール戦略を変えて対応するということも多いようです。
愛着は人生の土台
愛着は「人生の土台」と言われています。
なぜなら、
- どんな自分でいても大丈夫
- 自分はありのままで愛されている
- 自分はやりたいことをやる力がある
- 少しぐらい失敗しても、それを経験にまた前に進んでいける
というような、安定した感覚を持って生きる人生と
- 〇〇ができる自分でいなければいけない
- 自分は人に何かをしてあげなければ愛されない
- やりたいことがあっても、実現できない
- 失敗するとそれをずっと引きずってしまい、新しいことをやろうと思えない
というように、他人の顔色や評価を気にしたり、
自分の居場所がどこにあるかわからないという不安や
やりたいことがあっても自分にはできないという感覚を持ちながら生きるのは
大きな違いが生まれることでしょう。
子育て真っ最中の方はぜひ「愛着」の知識を知り、子どもに実践してあげてください。
大人になってから「自分は愛着が不安定だ」と気づいた方も大丈夫。
時間はかかりますが、愛着を安定させることは今からでも可能です。
ぜひSmile House内にある「愛着」の記事を参考にしてみてくださいね。