アスペルガー症候群ってどういう疾患?徹底解説シリーズ★

こんにちは、
Smile Houseの妙加です。

アスペルガー症候群という言葉を聞いたことは
ありますか?

アスペルガー症候群は先天性の発達障害の1つですが、
近年になり、
ようやく少しずつ認知と理解がされ始めた発達障害です。

主に対人でのコミュニケーションや、
社会性、想像力などの面で障害が生じるのですが、

特徴として、言語障害や知的障害を伴わないため
周りの人から気づかれにくく、

「変わった人」と思われ
なかなか理解されてこなかった疾患の1つでもあります。

今回は、アスペルガー症候群の定義や特徴、
接し方で心がけることは?などを

できるだけわかりやすくまとめていきます。

アスペルガー症候群とは?

アスペルガー症候群

アスペルガー症候群は自閉症の一つ

アスペルガー症候群は、近年になって
ようやく少しずつ認知と理解がされ始めた発達障害です。

明確な原因はわかっていませんが、
脳機能の障害と考えられています。

対人のコミュニケーションや社会性といった部分に障害が生じるのですが、
知的障害や言葉の発達の遅れがないことがあげられます。

アスペルガー症候群は知的障害を伴わない自閉症のことで
高機能自閉症と呼ばれることもあるようです。

高機能自閉症もアスペルガー症候群も
知的障害を伴わない自閉症なので、ほとんど同義語ですが

もっと細かく分類するならば、
定義上では、高機能自閉症の中でも

言葉の遅れのないものを
アスペルガー症候群と呼んでいます。

そのため、一見障害があることに気がつかれないことが
多くなるため、

なかなか理解されない、馴染めないというような
生きづらさを感じたり、

周りも理解に苦しむというようなことが
多く起こりやすい障害の一つです。

アスペルガー症候群の3つの症状

アスペルガー症候群の特徴は
別記事でしっかりまとめようと思うのですが、

大まかな特徴としては
アスペルガー症候群には特徴的な症状が3つあり、
「3つ組の障害」と言われています。

それが、

コミュニケーションの問題
対人関係の問題(社会性の障害)
限定された物事へのこだわり(想像力と創造性の障害)

の3つです。

コミュニケーションの問題

アスペルガー症候群の人は相手の言っていることを
「そのまま」に受け取るため、

その言葉の裏側や曖昧な表現をされたことを
察することが苦手です。

言い換えれば、
正直すぎるぐらいに素直です。

そのため、
相手の言葉の真意をうまく受信できずに傷ついたり、

自分の思っていることもそのままに伝えるので
相手のことを傷つけてしまったりということが

多々起こるため、
コミュニケーションを円滑に行うことに難しさを感じます。

対人関係の障害(社会性の障害)

アスペルガー症候群の人は
人の気持ちや場の空気を読むことがとても困難だと言われています。

そのため、場の雰囲気や暗黙のルールを認知することが難しく、
「空気が読めない人」と浮いてしまったり、

相手の気持ちを理解できずに傷つけてしまったり、
周りから自己中心的だと思われてしまう傾向があり、

対人関係を円滑に築いていくことが難しくなります。

こだわり(想像力と創造性の障害)

アスペルガー症候群の人は一度興味を持つと
過剰な集中力を発揮して熱中します。

規則性のあるものや
法則性のあるものを好む傾向が強く、

予想できないことや臨機応変な対応が必要なことを
嫌う傾向があります。

子どもでいうと、見立て遊びや
お友達とのごっこ遊びは苦手で、

一人で興味のあることを
黙々とやり続ける傾向があります。

想像・創造することに障害があるため、
「相手の立場に立って考える」ということは
とても難しく感じます。

ですが、興味のあることや熱中したことには
同じことを何回でもやり続ける集中力を発揮します。

生活や仕事にも支障が出るほどに
こだわってしまうこともありますが、

この集中力はうまく付き合えば
強みとして活かし、社会に貢献していくこともできます。

発達障害の種類と分類

発達障害は大きく分けるとこのように分類されます。

広汎性発達障害

・自閉性障害(自閉症)
・アスペルガー症候群
・特定不能の広汎性発達障害
・小児期崩壊性障害
・レット障害(女児のみに発症)

注意欠陥・多動性障害(ADHD)

・不注意優勢型
・多動性-衝動性優勢型
・混合型

学習障害

・読字障害
・書字障害
・算数障害
・特定不能の学習障害

広汎性発達障害は「自閉症スペクトラム」へ統合

私たちが病院に受診して診断される病名や、
事故などの外傷、妊娠・出産なども含め

診断を行う医療機関ではその疾病を分類するために、
様々な基準があるのですが、

その中に
ICD-10(国際疾病分類第10版)という
世界保健機関(WHO)が発行しているものと、

DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)という
2013年にアメリカ精神医学界から発行されたものがあります。

違いは、
ICD-10は身体的疾患を含む全ての疾患対象にしているのに対して
DSM-5は精神疾患のみを対象としています。

今回、2013年にDSMが改定され第5版が発行された際に

アスペルガー症候群は「自閉症スペクトラム障害」という
疾病名でひとくくりにされたこともあり、

この先はアスペルガー症候群という診断は減って、
「自閉症スペクトラム」という診断がついていくだろうという傾向があります。

しかし、現状ではICD-10の基準を元に診断を行う医療機関や
DSM-5の前版のDSM-Ⅳ-TRの時に

アスペルガー症候群という診断を受けた人も
たくさんいるため、

混同していて、分かりづらくなっています。

まとめると、

今までは、広汎性発達障害というグループがあり、
その中で自閉症やアスペルガー症候群など

さらに細分化されていましたが、

今後は細分化せず、
「人それぞれ症状に特性や個性がある」というような認識として、

広汎性発達障害に分類されていた疾患=自閉症スペクトラム
という一つのグループにひとまとめにしたということです。

アスペルガー症候群の定義

実はアスペルガー症候群の定義は一つではありません。

DSM-5の考え方を基本にすると
アスペルガー症候群は「自閉症」に分類されますが、

日本ではDSM-Ⅳの考えを採用している医師もいます。

文部科学省では、アスペルガー症候群の定義を

自閉症の特徴を示すが、認知・言語発達の遅れがなく、
知的障害を伴わないもの

と定義しています。

ICD-10やDSM-Ⅳでは

認知、言語発達の遅れやコミュニケーション障害がなく
社会性の障害とこだわりがある

と定義されています。

アスペルガー症候群が再評価される業績を発表した
ウィングという医師の考え方では、

コミュニケーション障害、社会性の障害、こだわりがある

と定義されています。

同じ人が違う病院で診断を受けると
国際的な診断基準だと自閉症で、

ウィング医師の基準だと
アスペルガー症候群と診断されるということも
少なくないのです。

どの基準を元に診断するのか?で
疾病名が変化する状態ですが、

どう分類するかが違っているだけなので、
表面化している症状とどう向き合い、付き合っていくか?

ということを考えることの方が
重要になって来ます。

アスペルガー症候群の頻度は?

近年認知され始めたアスペルガー症候群ですが、
実は決して珍しいものではなく、

4000人に1人程度の割合で発症していると言われていて
本人や周りの自覚のあるなしを含めて、

診断がつかずに対人関係に悩みを感じている人は
考えられているより、もっと多いことがわかってきています。

障害があるということがわかりづらいので
なかなか周りからの理解が得づらいのですが

症状や対処法の知識を持っていれば
本人も周りも、今よりは楽に生きることが可能です。

アスペルガー症候群は根治治療がないため、
適切な知識を持ち、

理解を深めていくことが
とても重要になります。

アスペルガー症候群の歴史

アスペルガー症候群の元をたどると
最初は「自閉症」という概念が生まれたのが始まりです。

自閉症を発表したのは、アメリカの精神科医のカナー医師です。

カナー医師が報告した自閉症の多くが知的障害を伴っていたため、
自閉症=知的障害がある

という認識でした。

ですが、同時期にオーストリアの小児科医、アスペルガー医師が、
知的障害を伴わない自閉症を報告しました。

当時は自閉症=知能低下がある
という認識だったため、

知的障害の伴わないアスペルガー医師が報告した自閉症は
違う病態だと認識され、

「アスペルガー症候群(障害)」と
呼ばれるようになりました。

これが1940年頃の話です。

その後、自閉症とアスペルガー症候群は
知的障害の有無以外は共通点が多かったため、

知能低下のある自閉症を「低機能自閉症」
知能低下のない自閉症を「高機能自閉症」

と呼んで、自閉症とアスペルガー症候群を
タイプの違う自閉症だと考えられていた時期もありました。

1980年頃になると、

イギリスの児童精神科医のローナ・ウィング医師がアスペルガー症候群の業績を紹介し、
再評価されたました。

このとき、ウィング医師が自閉症と診断されていないけれど、
社会性、コミュニケーション、想像力の3つ組の障害を持つ子どもがいることに気がつきます。

当時の自閉症認知は、
言語によるコミュニケーションに限定されており、

対人関心が乏しい子どもにのみ診断されていて、

コミュニケーションが一方的になっていたり、
円滑に行われていなくても

言語でのコミュニケーションが可能な場合は
自閉症とは考えられていませんでした。

このため、ウィング医師は、この3つ組の障害を持っていても
自閉症と診断されていない子どもが

アスペルガー医師の報告した
アスペルガー症候群に類似していることから、

3つ組の障害がありながら、自閉症と診断されていなかった子どもの一部は
アスペルガー症候群と診断されることが適切だとして、

自閉症と同じように援助、教育していこうと考え発表しました。

同じ頃、
アメリカ精神医学会が発刊しているDSMの第3版(DMS-Ⅲ)が発刊されて、

この段階で
「広汎性発達障害」という診断名が登場し、

広汎性発達障害は自閉症との共通点が多く、
自閉症=広汎性発達障害というように考えられるようになります。

また、広汎性発達障害という診断名が浸透していくにつれ、
自閉症に伴う症状は必ずしも「自閉」だけではないため、

自閉症よりも広汎性発達障害の方が適切だとされ、
両者をまとめて広汎性発達障害と呼ぶようになります。

現在も研究は進められており、
自閉症は「ここからが病気で、ここからが健常」という明確な線引きが難しいことが
指摘されています。

明らかに自閉症の症状が現れている人もいますが、

自閉症に近いけれど、健常範囲内の人もいれば、
健常に近いけれど、自閉症に入る人もいます。

このように明確に線引きが難しく自閉症は連続体(スペクトラム)であることから、

このスペクトラムの中に、
自閉症、アスペルガー症候群、発達障害も含まれているという考えのもとから

近年では、まとめて
「自閉症スペクトラム」と呼ぶ方針になっています。

親の対応は自閉症には影響しない

自閉症を報告したカナー医師が
自閉症の子を持つ親に対して

「強迫的で冷たい」と記載したことから、

「自閉症は親の原因だ」
「親の愛情不足が自閉症を引き起こす」

というようなことが世間に広まってしまった時期がありました。

1960年頃には統計学的な調査からも
「自閉症発症児と健常児で、親の育て方に違いはない」

ということが発表されているのですが、
未だに誤解が根強い部分もあり、

必要のない罪悪感を感じる方や、
周りから心無い視線を向けられることも

まだまだ起こっているのが現状です。

また、様々な経緯から、名称が変わってきているために、
自閉症スペクトラム障害の概念がわかりにくかったり、

アスペルガー症候群、自閉症、
広汎性発達障害という用語の浸透がまだまだ大きく、

使われ続けています。

アスペルガー症候群のタイプ

アスペルガー症候群タイプ

アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム)でも
さらに細かく分類すると

3つのタイプがあると言われています。

このタイプが違うと、
同じ自閉症スペクトラムでも

全く違うように見えます。

特に軽度の場合、
その症状が障害からの特性なのか、

その人の性格なのかの見極めがつかない場合もあるので

正しい知識を持って、
対応の仕方などを知っておくことが大事です。

自閉症スペクトラムは「矛盾の多い発達障害」と
言われているのですが、

このアスペルガー症候群のタイプはずっとそのタイプのままというわけではなく、
成長とともに変化すると言われています。

関わる側はその時々で判断しなくてはいけませんが、
違いを知っておくと、

本人や周りの人のストレスや勘違いなどを減らすこともできますし、
二次障害(うつなど)を防ぐために重要です。

3つのタイプと共通点

アスペルガー症候群のタイプは

・独立型
・受動型
・積極奇異型

の3タイプあると言われています。

それぞれ特性がありますが、
3タイプともに

・コミュニケーションの障害
・社会性の低下(対人関係の問題)
・想像力の障害(こだわり等)

は共通しています。

独立型

・周囲に関心が薄く、好んでコミュニケーションを取ろうとしない
・一人遊びや、人と関わらないことに安心を感じる
・集団でも、周りに人がいないように振る舞う

幼い時に独立型の特性を持っていても成長とともに変化することが多いと言われています。

受動型

・集団の中では人と関わろうとするが、自ら積極的には動かない
・積極性はないが、誘われると素直に従う
・問題行動が少なく、育てやすい
・主体性がないため、集団などでは良くも悪くも流されやすく、命令に従ってしまいやすい
・流されやすく、欲求を受け入れてしまいストレスを感じやすい
・育てやすいため障害の発見が遅れることが多い

積極奇異型

・アスペルガー症候群に多い型
・積極的すぎて他人との距離が近い
・初対面でも馴れ馴れしく、プライベートな部分に踏み込んだ会話をする
・場に関係ないことでも一方的に話し続ける
・相手の反応を気にせず、自分の話したいことを話し、巻き込もうとする
・「空気のよめない人」「変な人」と思われやすいため、分かりやすい

周りが気がつくことが大事

成長とともにタイプは変化しますが、
周りが気がついて適切な対応をするというのが

とても大切です。

例えば、
独立型→積極奇異型→受動型

と変化した場合、

幼少期
「一人遊びばかりで全然お友達と遊ばない」

幼児期
「友達と遊び出したけれど一方的すぎて
波長が合ってない」

小学生
「人との関わり方も落ち着いてきた」

となった場合、
少々気になるところはあったけれど
小学生になって落ち着いたなぁ

というふうに見えるので安心していたら、
実は周りに流されストレスが溜まっていて

中学生以降、思春期を迎えるあたりで
二次障害を発症というケースもあります。

とくに集団生活になると

受動型の場合だとうまくいっているように見えて
ストレスをたくさん抱えていたり、

積極奇異型だといじめの対象になってしまうこともあります。

集団や社会の中での振る舞いや、
少し伝えたらあとはわかるだろう

というような想像が苦手なので、
社会の中での在り方などは細かくしっかりと教えながら、

個性を尊重して自己肯定感を
高める関わりをしていくことが必要です。

大人になって社会的に自立して生活している人も
たくさんいます。

「障害」ではなく「個性」として受け止め、
本人も自分自身の症状を「個性」として

生き生きと人生を送っていくためにも
子供の頃に、関わる人が正しい知識を持ち、

適切な接し方で関わり育てていくことが
とても大事なことなのです。

まとめ

アスペルガー症候群

今回はアスペルガー症候群とは?
についてまとめました。

本来ならば「自閉症スペクトラム」に統合されているのですが、
まだまだアスペルガー症候群という用語の方が浸透しているため、

このブログ内でも
「アスペルガー症候群」についてまとめていきます。

次回はアスペルガー症候群の特徴について
詳しく紹介していきます。

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ABOUTこの記事をかいた人

SmileHouseスタッフの妙加(たえか)です。 仕事に追われつつドタバタと記事を書いていますが、がんばって子育てに役立つ情報を更新していきたいと思っています。 最近はランニングとあんこと半身浴にハマっています♪