こんにちは
Smile Houseの妙加です。
人の思考には抽象的思考と具体的思考の2種類があり、私たちはその2つを組み合わせてコミュニケーションや仕事、人生設計などをしています。
「もっと物事を抽象的に捉えてみたら?」とか「それを具体的に説明してみて?」と、言った・言われたことがある人もいると思います。
特に今回は「抽象的」に焦点をあてて、抽象的に物事を捉えるとはどういうこと?抽象的と具体的の違いは?などをまとめました。
抽象的な捉え方とは?
抽象的に考える、抽象的に捉える、とはどういうことなのか?をまとめました。
抽象的の意味
抽象的とは、物事の共通点を抜き出して、一つにまとめることです。
例を出すと、
トイプードルを抽象的に表現すると「犬」になります。
同じようにチワワを抽象的にすると「犬」です。
トイプードルとチワワは全く違う種類ですが、「犬」という共通点を持っています。
さらに「犬」を抽象的にすると「動物」になります。
そう言った視点でみると、猫や馬も抽象的にすると「動物」になります。
トイプードル、チワワ、猫、馬は抽象的に表現していけば「動物」という共通点を持っていることがわかります。
トイプードル→犬→動物のように抽象的にしていくことを【抽象度をあげる】と言います。
抽象的の反対は具体的
抽象的について考えると、必ずセットで出てくるのが「具体的」です。
抽象的と具体的は関係性があり、具体的は特定の物や出来事を的確に表すことで、抽象的というのは人それぞれで解釈の違いが現れます。
具体的というのは誰が聞いてもわかることで、例えば、織田信長といえば全員が同じ人を思い浮かべますよね。
日常で表現すると、「朝は5時に起きて、1時間ランニングをして、30分半身浴をしてから家をでる」や「会社にはスーツを着て出勤する」は具体的な表現しています。
逆に、抽象的というと人それぞれで解釈や捉え方が変わってきます。
例えば、戦国武将というと、織田信長を思い浮かべる人もいれば、豊臣秀吉を思い浮かべる人、ほかの武将を思い浮かべる人ももちろんいますね。
日常だと、「朝活をする」や「服装の決まりを守る」は先ほどの例より抽象的な表現になります。
他にも、
抽象的「のんびりできるところで過ごしたい」→具体的「海が綺麗で、暖かくて、空気のいいところに3日間行きたい」
抽象的「体に良い物を食べたい」→具体的「最近忙しくてコンビニ続きだったから、オーガニック野菜の蒸し料理が食べたい」
という風に、抽象的な表現で”のんびり”や”体に良い”とぼんやりしていたことも具体的にすると、自分が言いたいことや相手の思っていることが明確になります。
頭の良さや仕事にも影響する抽象的思考
抽象的思考というのは、物事の大まかな枠組みを理解して把握する力のことで、この抽象的思考は頭の良さや仕事にも関係している能力です。
頭の良さ=抽象的思考力が高い
学力は記憶力、暗記力、言語力、創造力など色々な項目がありますが、頭の良さに1番関係しているのが【抽象的思考力】だと言われています。
頭の回転が早い人や、物事を客観的にみて即断する力に長けている人は抽象的思考力が高い人が多いですね。
抽象的思考というのは例えば、「トイプードルのプー太郎にチョコレートをあげてはいけない」と聞いたときに「白猫のジジもチョコは厳禁かもしれない、動物で哺乳類、肉食で食べているものが似ているから」ということを繋げて考えることです。
1つの具体例から思考を広げていくには抽象的思考が必要になります。
特に社長のように未来を見通し方針を決める役割の人や、人の上に立ちまとめる役割のある人には必須の力で、いまそういう役割のある人、もしくは今後そういう立場になろうと思っている人は、意識して養っていくべき力です。
例えば、マネージャーや部長を例にだすと、目の前の具体例や出来事ばかりを見て部下に指示をしている人と、会社の方針や本人の目指している姿、教育方針、社内状況を踏まえて指示を出す人のどちらが仕事の出来る人か?どちらが部下のためになるアドバイスができるか?と問われるときっと後者ですよね。
目の前の出来事をしっかりと把握することは大前提で必要ですが、目の前のことにばかりとらわれていると、本当に大事なものは何なのか?という抽象的な部分が見えなくなります。
仕事では「何のためにしているのか」「なぜそれをするのか」という抽象的な視点をいかに持ち続けて取り組めるかが成功を収めるためには重要で、抽象的思考が高い人ほど、ブレずに正しい選択をすることができます。
抽象的思考を鍛えるにはどうすればいい?
抽象的思考力を鍛えるには、物の共通点でまとめたり抽象度をあげる練習をする、物の目的や意味を考えるなどの方法があります。
例えば、黒いボールペン→筆記用具→文具用品という風に、目の前にある物の抽象度をあげて捉える練習も続ければ効果があります。
物の目的や意味を考えるのは、例えば毎日の仕事でも、「なぜこの仕事をしているんだろう」「なぜこの作業が必要なんだろう」と考えてみることです。
逆に「幸せになる」というような抽象的な部分から具体的にしていっても構いません。
どちらかというと、具体的→抽象的の癖づけが必要な人が多いと思いますが、大事なのは具体的な思考と抽象的な思考をバランスよく持つことです。
人の思考の発達は具体的→抽象的
人の思考の発達は、まずは具体的に、パパ・ママ・りんご・救急車・お箸という風に具体的なレベルから始まって、成長につれて抽象的に捉られるようになっていきます。
抽象的思考は実体のないものでも理解してイメージする力で、大人になるにつれて年々高まっていくことがわかっています。
例えば、計算でも最初は、りんご1つとりんご1つを足すと、りんごが2つというように、視覚で確認できて具体的な問題からスタートしますが、成長とともにxやyという記号を使って、実際はどれだけあるかわからない状態の問題が解けるようになったり、1000円の靴下が2割引で売ってる=800円というような「割合」という概念も理解できるようになります。
1000円の2割引が800円というのを理解するには、2割の意味を理解した上で頭の中でイメージする必要があるので、抽象的思考が発達し始める小学校の高学年ぐらいにならないと、なかなか理解できません。
子どもの頃はニュースや本が面白くなかったのに大人になってから面白く感じるようになる人が多いのは、もちろん興味もありますが、抽象的思考の発達のおかげで、ニュースで得た情報が具体的にイメージできたり、より深い世界まで理解・認識できるようになるからです。
抽象的思考を踏まえて指示を出す
抽象的思考というのがそもそも抽象的でわかりずらいのですが、仕事で決断したり部下に指示を出すときに、なぜ抽象的思考を大事にしなくてはいけないのか?というのを説明します。
例えば、こういった記事の場合だと最初に「抽象的」という題材で書きます、次は抽象的の意味を書きます、という風に「今から何を書くのか?」「結論は何なのか?」を明確にして書くほうが読みやすく、わかりやすいですよね。
何もなく、今回の記事の始まりにあった、トイプードルを抽象的に表現すると・・・って言われても頭の中が「???」となってしまって、いくら文章の最後に抽象的の意味や捉え方かた(結論)を書いていても、途中で読むのをやめてしまう人の方が多くなると思います。
物語や自叙伝という風な読み物は作者の感性が多く反映されるので少し例外ですが、基本的に文章は具体的で、なおかつ結論や話の論題を最初に明確にしておくことが前提です。
その状態で部下が記事を書いてきて、読んでみるとトイプードルを抽象的に・・・から始まり、何の話かいまいちよくわからないままぼんやりと「抽象的とは」について書いた文を持ってきた時、どういう指示の出し方をするか?というのが大事になります。
結論から書いてねという指示の種類としては、
1、「各段落は見出しで結論を明確にして、その下に理由や説明を書いたら文章が綺麗になるから」
2、1の指示+「人は理由とか結論が先にわかっている方が後に出てくる文が紐付けしやすくなる。そしたら一塊の情報として認識できて伝わりやすくなるから」
3、1と2の指示+「人はわかりやすい情報にはポジティブにな印象を持ってくれるので、こちらの伝えたい意図や意見を肯定的に受け取ってもらいやすくなる」
などがありますが、1から3になるにつれ抽象的になっていますが、どれも結論を先に書く理由になっています。
どこまで理解をして、どういう指示を出すかによって応用できる範囲も変わってきますね。
1はとてもわかりやすく、具体的ですが文を構成するときにしか使えません。
2は文と何か資料を作るときにも意識すると活用できそうですね。
3はプレゼンやコミュニケーションにも応用していくことができますね。
どこまで抽象的なところまで理解しているのか?で人に出す指示も変わってくるし、人の育ち方や売り上げも変わってきます。
だからといって最初から3の部分になる抽象的な指示が絶対に必要なわけではなく、自分の経験や考えを踏まえて相手に伝わるレベルで伝えることが1番大事です。
抽象的と具体的のバランスが大事
私たちは抽象的な思考や具体的な思考を無意識に行ったり来たりして使っています。
人によっては、抽象的なパターンが多い、具体的な話が多いなどの差があり、思考の癖はあります。
抽象的な話ばかりだと「何が言いたいんだろう?」となるし、具体的な話ばかりだと「何のためにしてるの?」という風なことになります。
そしてコミュニケーションは自分と相手の「具体的」と「抽象的」の認識のズレが少ないほど円滑にいきます。
ぜひ意識して、抽象的な思考と具体的な思考を考える癖をつけてくださいね。